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市政運営の基本方針(令和元年度施政方針)

印刷用ページを表示する 更新日:2020年2月7日更新

本文

今日の社会情勢を見渡しますと、本年6月に閣議決定された「経済財政運営と改革の基本方針2019」では、「現在の我が国経済は、デフレではない状況を作り出し、長期にわたる回復を持続させており、GDPは名目・実質ともに過去最大規模に達した。国民生活に密接にかかわる雇用・所得環境も大きく改善している。」と現状の分析がなされております。
しかしながら、中長期の課題についても、我が国経済が直面する「最大の壁」と表現されている人口減少・少子高齢化の進展をはじめとして、第4次産業革命の到来、生産性と成長力の伸び悩み、世界的なデジタル化の流れなど、大きな変化や喫緊の課題は枚挙にいとまがない状況となっております。
また、10月からは「消費税率の引き上げ」や「幼児教育・保育の無償化」など、新たな制度が動き出しますことから、状況の変化をしっかりと捉えながら、市政を運営していく必要があります。

本市におきましても、人口減少・少子高齢化の進展はまさに喫緊の課題であります。本市の人口は、平成7年以降減少の一途をたどっており、平成30年度の出生数は300人を下回るなど、対策が急務となっております。
人口減少を抑制する確かな道を切り開くためには、まずは子育て支援や教育のさらなる充実、産業の再生、そして市民の皆さまが明るく元気にお暮らしいただける地域社会の構築が最重要課題であると捉えております。

これらの課題を踏まえ、市政運営の基本的な考え方として、私が公約として掲げている「笑顔あふれる・ふれあい街(タウン)、しおがま」の実現に向けた5つのキーワードをお示しいたします。

一つ目は、「ずっと塩竈」であります。
市民の皆さまが住み慣れた地域でいつまでも暮らし続けられるよう、地域の宝であります子どもたちの健全育成を目指して、教育のさらなる充実や、子どもを安心して産み育てられる環境のより一層の充実に取り組んでまいります。また、新たな空間活用を推進し、塩竈で若者をはじめ様々な方々が交流し、活躍ができる環境整備に取り組んでまいります。

二つ目は、「元気な塩竈」であります。
生き生きとした地域を創造するためには、市民の皆さま一人ひとりがいつまでも明るく・元気に・健康でお過ごしいただく必要があります。民間企業と連携し、市民の皆さまの健康面をサポートするなど、地域全体で支え合える仕組みづくりについて検討してまいります。

三つ目は、「力強い塩竈」であります。
震災以降、本市の基幹産業である水産業や水産加工業を取り巻く環境は、厳しさを増しております。地域のなりわい再生に向け、全国トップクラスの生鮮マグロ水揚げや多種多様な水産加工品の生産量を誇る「みやぎの台所・しおがま」を積極的にPRするほか、商店街の再生に努め、かつての賑わいを取り戻してまいります。

四つ目は、「楽しい塩竈」であります。
本市はかつての製塩の地、陸奥国一之宮鹽竈神社の門前町として栄えた歴史や文化、豊かな自然を残す浦戸諸島など、様々な魅力にあふれております。それらの個性あふれる魅力を最大限に活用し、広げていくことで、塩竈にお住いの方々も、塩竈を訪れる方々も、楽しく笑顔になれるまちづくりに取り組んでまいります。

五つ目は、「コンパクトシティ塩竈」であります。
本市は、限られた市域に都市機能が集約されており、鉄道やバスを中心とした公共交通も充実しております。コンパクトで利便性の高い市街地特性を最大限に活かし、民間の力を取り入れながら、新たな視点でのまちづくりを進めてまいります。

以上、5つのキーワードを基本的な考え方として市政運営に取り組んでまいります。

 

続きまして、施策の方向性についてご説明いたします。

まず一つ目は、「教育力の向上」であります。

この「教育力の向上」を目指すためには、学校や家庭を含めた「地域全体で子どもを育てる」という意識の醸成が重要であり、今後、学校や家庭、地域がこれまで以上に密接に連携を図ることが必要になってまいります。
そのためには、少子化や家庭環境など、現在の社会構造の変化を捉え、学校が家庭や地域と目標を共有し、共に行動し、知恵と力を出し合いながら、次世代を担う子どもたちの教育を行わなければなりません。
まず、「一人も見捨てない教育」を実現してまいります。現在、市内の小中学校では、本市独自の小中一貫教育を推進しており、一人ひとりを大切にし、良さや可能性を伸ばす教育を行い、すべての子どもたちに「社会をたくましく生き抜く力」を育成することを目指しております。

私は、この学校教育の取組に対し、「地域全体で子どもを育てる」視点から、誰もが気軽に利用でき、学ぶ喜びを実感できる「現代版寺子屋」の創設に向けた検討を進め、学校と地域が一体となり、「よりよい学校教育を通じて、よりよい社会を創る」という塩竈ならではの流れをつくってまいります。
次に、自立した人間として、他者と共によりよく生きるための基盤となる「道徳性を養う教育」に取り組んでまいります。来年度からは小学校、再来年度からは中学校で新しい学習指導要領がスタートし、その中でこれまでの道徳が「特別の教科道徳」として生まれ変わります。子どもたちには、「考える道徳」、「議論する道徳」として、これまで以上に道徳的な課題について、他者と意見を交換しながら、自分の生き方についての考えを深めてもらいたいと考えております。

更に、地域のおじいちゃんやおばあちゃんが、子どもたちに向けて、塩竈の昔話やこれまでの体験談などを話す機会を設け、地域との繋がりを深める「ふるさと教育」の推進により、本市の歴史や文化を子どもたちに引き継ぐための取組を積極的に実践してまいります。

 

二つ目は、「健康寿命の延伸」であります。

地域が生き生きと輝くためには、市民の皆さまがいつまでも明るく、元気に、そして健康でお過ごしいただくことが何よりも重要であります。
より身近に楽しみながら健康づくりを意識していただけるよう、新たに健康関連企業との連携によるウォーキングポイント制度の導入などを図っていくほか、各公共施設や公園を活用し、気軽に健康づくりに取り組んでいただける環境整備に努めてまいります。

また、様々な経歴や特技をお持ちの高齢者の方々を対象とした「人材バンク制度」の創設について検討し、豊富な経験を活かして地域社会に貢献していただくことで、やりがいを持って生き生きと暮らせるまちづくりを進めてまいります。

 

三つ目は、「産業再生・創生」であります。

本市は古くから海の恵みを受け、産業や生活の基盤を築いてまいりました。基幹産業である水産業・水産加工業を見渡した時、大変厳しい環境に置かれていると認識せざるを得ず、市長となった今、喫緊の課題として取り組む決意を新たにしたところであります。
まず、全国有数の生鮮マグロ水揚げを誇る魚市場や多くの買い物客で賑わう仲卸市場、さらには多種多様な品目を製造する水産加工業に見られますように、本市は食材の供給基地であります。地元産の食材を用いた美味しさを提供する飲食店の皆さまにも協力をお願いし、「みやぎの台所・しおがま」を県内、そして全国へPRし、さらなる発展へとつなげてまいります。

特に、水産加工業につきましては、世界規模での資源争奪に伴う加工原料の調達コストの増嵩や、深刻さを増す人手不足などの問題を抱えております。更には、震災の風評被害や消費の落ち込みにより、販路の確保・拡大についても苦戦を強いられているなど、事業者の皆さまは、かつてない厳しい状況に直面しているものと認識しております。
課題解決に向けましては、外国人技能実習生をはじめとした働き手の確保や、新たな販路開拓などの経営の安定化に向けた支援について積極的に取り組み、「産業の再生と創生」を実現してまいります。
そのためにも、水産業界をはじめ幅広い分野の皆さまから、しっかりとお話を伺いながら具体的な施策を構築してまいります。

更に、あらゆる機会を積極的に活用して「地産地消」・「地消地産」を推進することで、生産者と消費者の距離を縮め、地域の商品力を高める取組を進めてまいります。
商業の振興につきましては、かつて、鹽竈神社の門前町として栄えた地域の魅力を最大限に活かせるよう、関係する方々と連携しながら、個店の持続化や魅力ある店舗づくり、さらには空き店舗や空き地の再活用策など、門前町の再生に向けた取組を検討してまいります。

観光の振興につきましては、インバウンドが年々増加しておりますことから、その受入促進に向け、既存の食・歴史などの観光資源の磨き上げはもとより、国ごとのニーズにマッチした新たな体験型観光資源の開発や受入体制の整備について、引き続き市民・事業者の皆さまや仙台松島DMO協議会などと共に検討を重ね、交流人口の拡大に努めてまいります。

また、東京オリンピック・パラリンピックに続き、2021年には「東北デスティネーションキャンペーン」の開催が予定されておりますので、JR東日本や宮城県などの関係機関と連携して、継続的な国内外の観光客誘致に取り組んでまいります。市民の皆さまや事業者の皆さまと共に、郷土愛にとどまらず、自らが主体的に関わってまちを良くしていこうとする「シビックプライド」を醸成しながら、持続可能な「稼ぐ観光」を目指し、交流人口と観光消費の拡大に努めてまいります。

 

四つ目は、「夢と希望、空間創出」であります。

地域の活力創出のためには、塩竈らしい憩いの景観と空間の創出による港湾機能の強化とともに、これからの時代を担う若い世代の方々が夢と希望を実現していく場を提供することも、行政の大切な役割であると考えております。
まず、物流機能の強化と市内の回遊性を高めるため、過去に検討された経緯がある港町地区と北浜地区を結ぶ導線について、将来的な整備の実現可能性を追求してまいります。
また、現在、マリンゲート塩釜から北浜緑地までの港奥部エリアについては、宮城県において災害復旧事業や緑地整備事業が進められており、イベント広場や親水護岸、ウォーキングコースなどを備えた、みなとまちらしい魅力的な空間が生まれますことから、交流拠点として利活用し、エリアの価値を高めてまいります。

更に、若い世代の方々が活躍できるまちづくりの実現のため、公共施設などを可能な限り有効活用し、気軽に利用できる音楽スタジオやダンススタジオなどの整備に向けた検討を進め、若者の夢を積極的に応援してまいります。

 

五つ目は、「子ども・子育て支援」であります。

まさに子どもたちは「地域の宝」であります。子どもたちの笑顔があふれるまちは、自然と多くの人々が集い、元気と活気に満ちたまちとなります。
また、子どもたちは、未来の塩竈を担う希望でもあり、「子育て」は次の時代に向けた人材を育てる大切な営みであります。地域のより良い未来の創造に向けて、子育て世代を応援し、育てやすい環境を整えてまいります。

まず、核家族化の進展やライフスタイルの多様化に伴い、地域での交流が希薄になり、子育ての孤立化や育児不安を抱える親の増加に繋がっております。その課題解決に向け、妊娠期から子育て期に渡る切れ目のないワンストップ相談支援拠点として、子育て世代包括支援センターを設置してまいります。
なお、その機能をさらに充実させるため、子育てコンシェルジュの配置を検討し、専門的知識をもったスタッフによる家庭訪問などのきめ細かな対応により、子育てに対する不安解消を図りながら、家庭と地域の子育て力を高めてまいります。

更に、社会問題となっている「不登校」や「ひきこもり」、「いじめ」などの課題につきましても、本市では、様々な取組により改善が見られておりますが、なお、引き続き児童生徒に寄り添いながら、解決に向けて積極的に取り組んでまいります。
また、子どものうちから様々なスポーツに取り組めるよう、機会の充実や全国大会へ出場する際の助成などを行うための「スポーツ奨励基金」の創設を検討してまいります。

 

六つ目は、「公民連携、公共施設の在り方検討」であります。

今後ますます複雑多様化する行政ニーズに応えるためには、民間の方々の力を最大限に活用し、斬新なアイデアも取り入れながら柔軟に対応していく必要があります。新たな風を吹き込ませることこそが、この地域のポテンシャルを最大限に引き出すことにつながるものと信じておりますので、組織内に「公民連携デスク」を設置し、民間の方々との連携を深めてまいります。
また、人口減少が今後ますます進展する中、公共施設の最適化や業務の効率化は、今後の市政運営にあたっての非常に大きなテーマとなります。

まず、市民の皆さまの利便性向上並びに職員の業務効率化を図るため、分散している庁舎の再編に向けた検討を進めてまいります。
市民の皆さまにとって身近な公共施設である公園についても再活用を進め、市民農園やドッグランの設置、桜をはじめとする多様な樹木を活用した色彩空間の演出など、様々なアイデアを取り入れながら整備に努めてまいります。

更に、高齢者に配慮したやさしいまちづくりを進めるため、歩道に東屋などを設置し、日常の中でのコミュニケーションスペースとしても活用していただくなど、利用者目線の環境整備に努めてまいります。

 

七つ目は、「歴史・文化継承」であります。

古来、塩竈の港は「国府津

こうづ千軒

せんけん」と呼ばれ、海上交通の拠点として繁栄してまいりました。また、光源氏のモデルといわれる源

みなもとの融

とおるは、塩竈をこよなく愛し、京都に千賀の浦を模した庭園を造らせました。このように、本市は、当時の都人が憧れに思う、浪漫にあふれた地でありました。
市民の皆さまが歴史や文化に親しみ、それを次代につなぐため、塩竈の大きな特色である「社(やしろ)」、「塩づくり」、「酒造り」などといった地域のなりたちに光を当てるとともに、門前町に立地する歴史的建造物の特徴を活かしながら、塩竈の歴史・文化の継承に努めてまいります。

 

八つ目は、「医療・福祉」であります。

国では、高齢化が急速に進展する中、住み慣れた地域で自分らしい暮らしが続けられるよう、地域包括ケアシステムの構築を進めております。今後は、医療・介護だけでなく、住まい・予防・生活支援が一体的に提供され、地域全体で支えていくことが求められています。
このように、「支える医療」の構築が急務となっていることから、本市におきましても、一人ひとりが自身の健康を考えるまちづくりを進め、地域全体での「健康寿命の延伸」を図ってまいります。

また、市立病院におきましては、二市三町唯一の公立病院として、安全で良質な医療の提供に努めますとともに、その果たすべき役割について、市民の皆さまをはじめとして多くの方々の意見を伺いながら、地域医療のニーズにしっかりと応えてまいります。
更に、福祉の充実については、子どもからお年寄り、障がいのある方もない方も共に支え合う地域づくりを目指し、市民の皆さまのために力を注いでいる福祉ボランティアや諸団体の持続可能な活動を支援するため、新たな基金の創設を検討してまいります。

 

九つ目は、「浦戸振興」であります。

風光明媚な浦戸諸島は、市民にとって貴重な宝であります。しかしながら、現在の浦戸諸島は、急速な人口減少や高齢化、産業の担い手不足など、様々な課題に直面しております。その解決に向けまして、まずは島民の方々が何を望んでおられるのか、地域の意見をしっかりとお伺いし、今後の島づくりにつなげてまいります。

また、ノリやカキなどの浦戸で獲れる豊富な海の幸や6次産業化の取組を全国へ広く発信することにより、持続可能ななりわいとして継承していくほか、「浦戸再生プロジェクト」を創設し、浦戸のブランド化や観光と連動させた新たな産業の誘致に努めてまいります。

 

最後に、「地域創意工夫」であります。

市民の皆さまに、「いつまでも住んでいたい」と思っていただけるまちとするためには、様々なアイデアと工夫を凝らしながら、魅力を向上させる取組が必要であります。
現在、全国的な課題となっている「空き家対策」については、今後ますます重要となってくる課題であると認識しております。若い世代の移住・定住を促進する取組とあわせ、市内の空き家の利活用を促すため、住宅に限らず店舗などへのリノベーションに対する助成制度についても検討してまいります。
また、「市政の見える化」をより強く意識し、公正で透明性の高い行財政運営を図るための外部チェック体制の強化や、政策形成過程の段階から、市民の皆さまとの積極的な情報共有に努めていくほか、行政力を高めるため、職員研修制度を充実してまいります。

更に、今後人口減少がより一層進展することに伴い、基礎自治体のみでの運営ではなく、圏域での行政運営が求められております。
近隣の自治体と手を携えながら、より緊密に連携することで、本市の課題である廃棄物処理など、共通の課題解決に向けて積極的に取り組み、新たな時代に対応した効率的な行政運営に努めてまいります。

 

「結び」に続きます。

 

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