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続きまして、市政運営の基本方針に基づき、編成いたしました平成29年度予算案の概要についてご説明いたします。
東日本大震災の発生からまもなく6年が経過いたしますが、集中復興期間の5年間及び復興・創生期間の初年度であります平成28年度まで、ハード事業及びソフト事業の両面から、数多くの施策を予算化してまいりました。
これに伴いまして、予算規模は、最大で震災前の2.4倍にまで増大しておりましたが、災害公営住宅整備事業や新魚市場整備事業などに代表される本市の大型復興事業が完成を迎えようとしておりますことから、震災前の通常予算規模にまで戻りつつある状況であります。
国から見た地方財政の状況につきましては、平成29年度の地方財政計画により、一日も早い被災自治体の復旧・復興を目指し、これまでに引き続き、通常収支とは別枠で震災復興特別交付税が計上されるなど、早期復興のための支援の継続が示されております。
また、通常収支につきましては、国全体として見た地方税収の増などの理由により、地方交付税は16兆3,298億円で前年度から2.2%減となりましたが、交付税の振り替わりであります臨時財政対策債は4兆452億円で6.8%増となり、一般財源総額は60兆2,703億円で前年度と同程度の規模が計上されております。
しかしながら、前年度の地方財政計画と同様に、地方税収の伸びを前提とした一般財源の総額でありますことから、未だ税収が震災前の規模に回復していない被災自治体の一般財源は、引き続き厳しい状況が続くものと見込んでおります。
これらの状況を踏まえ、平成29年度の予算編成におきましては、国の制度を最大限に活用し、ハード整備を中心とした復興事業を継続しつつ、被災された皆様の暮らしの復興やまちの活性化のためのソフト事業を中心とした復興事業へ予算を重点配分いたしました。
また、歳入の根幹であります市税収入の確保や各種基金の活用など、限られた財源を活用し、昨年度に引き続き「定住促進枠」「ふるさと復興枠」「既存ストック再生枠」といった「戦略的予算枠」を設定して、長期総合計画及び震災復興計画の実現のための効果的な事業を峻別しながら予算化したところであります。
各会計の予算額でございますが、一般会計につきましては、283億6,000万円で、前年度と比較して109億3,000万円の減、27.8%減であります。
これは、各種復興事業の計上のほか、漁港施設災害復旧事業が増となったものの、災害公営住宅整備事業や新魚市場整備事業などの普通建設事業費の減や、下水道事業特別会計における復旧・復興事業に対する繰出金の減などによりまして、大きく減額になったものであります。
また、特別会計につきましては、10会計の予算総額で209億8,750万円、前年度と比較して26億1,400万円の減、11.1%減となっております。
主な内容といたしましては、交通事業特別会計が経営健全化計画に基づいて新造船建設事業を計上したことによる増額予算のほか、介護保険事業特別会計が主に介護給付費の伸びが見込まれることにより増額予算としております。
一方で、復旧・復興事業の進捗により、下水道事業特別会計、北浜地区・藤倉地区復興土地区画整理事業特別会計が前年度から大きく減額となっております。
企業会計につきましては、水道事業会計予算といたしまして、支出の合計で28億7,139万8千円、前年度から0.8%の減となり、病院事業会計予算につきましては、支出の合計で30億2,686万7千円、前年度から7.3%の減となっております。
水道事業会計につきましては、災害復旧事業費及び排水処理施設更新事業等が減となったことによりまして、前年度から0.8%の減となっております。
また、市立病院事業会計につきましては、新改革プランに基づいた予算といたしまして、様々な増患対策による収入の確保や更なる経費の縮減等を図り、前年度から7.3%減の予算とし、経常収支の均衡を目指した予算となっております。
以下、新年度に行う事業につきまして、主なものをご説明いたします。
まず、第5次長期総合計画の実現に向けた事業のうち、「だれもが安心して暮らせるまちづくり」を実現するために継続、強化する事業といたしまして、
事業 |
予算額 |
---|---|
妊婦健診事業として | 3,460万4千円 |
特定不妊治療費助成事業として | 300万円 |
待機児童ゼロ推進事業として | 506万7千円 |
がん検診推進事業として | 1,135万8千円 |
地域包括支援センター運営事業として | 5,184万円 |
地域医療介護総合確保事業補助金交付事業として |
1億5,301万7千円 |
介護予防・日常生活支援総合事業として |
2億1,504万7千円 |
市道・橋りょうの整備事業として |
1億6,110万円 |
水道老朽管更新事業として |
1億8,539万5千円 |
循環バス補助事業として |
1,700万円 |
新規事業につきましては、
事業 |
予算額 |
---|---|
藤倉児童館及び放課後児童クラブ指定管理運営事業として |
1億2,650万円 |
小学校入学準備支援事業として |
195万円 |
子ども医療費助成事業の対象年齢拡大として |
9,741万6千円 |
塩竈アフタースクール事業として |
2,299万円 |
子どもの学習支援事業として |
800万円 |
国保インフルエンザ予防接種助成事業 |
908万5千円 |
第7期塩竈市介護保険事業計画及び高齢者福祉計画策定業務として |
258万2千円 |
既存民間建築物等データベース化等業務として |
4,200万円 |
市営住宅エレベーター改修工事として |
1,600万円 |
同じく、「海・港と歴史を活かすまちづくり」を推進する事業といたしましては、
事業 |
予算額 |
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水揚奨励補助金事業として | 650万円 |
遠洋底びき網漁船誘致促進事業として | 400万円 |
電動フォークリフト導入支援事業として |
1,500万円 |
商店活性化促進事業(シャッターオープン・商人塾)として |
402万2千円 |
みなと塩竈・ゆめ博補助事業として |
2,000万円 |
中小企業振興資金等預託・信用保証料補給事業として |
4億4,000万円 |
塩竈水産品ICT化事業として |
1,000万円 |
塩竈みなと祭協賛会助成事業として |
895万6千円 |
インバウンド資源発掘・プロモーション事業として |
600万円 |
観光プロモーション事業として |
380万9千円 |
第3期都市再生整備計画事業として |
4,362万3千円 |
浦戸地区燃料輸送費助成事業として |
109万8千円 |
地域おこし協力隊による浦戸産業担い手確保事業として |
2,442万3千円 |
新規事業につきましては、
事業 |
予算額 |
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まちなか居住再生検討事業として |
125万5千円 |
市営汽船新造船建造事業として | 1億4,775万円 |
同じく、「夢と誇りを創るまちづくり」を推進する事業といたしましては、
事業 |
予算額 |
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塩竈市子どもの心のケアハウス運営事業として |
1,660万2千円 |
小中学校特別支援教育支援員設置事業として |
2,289万円 |
離島地区通学費補助事業として |
249万9千円 |
平成29年度全国高等学校総合体育大会事業として |
467万9千円 |
コンビニエンスストア証明書自動交付サービス事業として |
1,446万7千円 |
新規事業につきましては、
事業 |
予算額 |
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小中一貫教育推進事業の更なる拡大として |
2,468万6千円 |
第二中学校北側崖地落石防止事業として |
1,291万8千円 |
第41回全国高等学校総合文化祭事業として |
100万5千円 |
塩釜ガス体育館等のスポーツ施設整備事業として |
2,395万円 |
などを計上いたしております。
次に「震災復興計画」の早期実現に向けた事業のうち、「住まいと暮らしの再建」を促進する事業といたしましては、
事業 |
予算額 |
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宅地防災対策支援事業として | 2,706万円 |
災害公営住宅整備事業及び集会所備品整備事業として | 1億5,750万3千円 |
災害公営住宅等入居者支援事業として | 2,200万円 |
津波被災住宅再建支援事業として | 1億5,400万円 |
ふれあいサポートセンター運営業務委託事業として | 2,474万5千円 |
被災者支援総合事業として |
1,445万5千円 |
被災者見守り相談支援事業として |
76万3千円 |
仮設住宅交通支援事業として |
272万6千円 |
学習支援事業(しおがまチャレンジ教室)として |
320万1千円 |
学び支援コーディネーター等配置事業として |
736万8千円 |
被災児童生徒就学援助事業として |
1,515万4千円 |
小中学校交流事業として |
241万3千円 |
新規事業につきましては、
事業 |
予算額 |
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海岸通子育て支援施設整備事業として | 1,188万円 |
脳と身体の健康づくり事業として |
1,000万円 |
NEWしおナビ100円バス運行事業と調査事業として |
1,693万円 |
同じく、「安全な地域づくり」を推進する事業といたしましては、
事業 |
予算額 |
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港町地区津波復興拠点整備事業として | 8,000万円 |
新浜町杉の下線道路事業として |
2億6,760万円 |
藤倉地区区画整理区域北側排水施設整備事業として |
8,058万5千円 |
港町地区復興道路整備事業として |
1億6,340万円 |
北浜地区及び藤倉地区被災市街地復興土地区画整理事業として | 6億2,170万円 |
野々島漁港海岸保全施設整備事業として |
1億円 |
公共下水道災害復旧事業として |
2,000万円 |
藤倉二丁目地区下水道整備事業として |
1億8,140万円 |
越の浦地区下水道整備事業として |
10億1,285万6千円 |
港町二丁目地区下水道整備事業として |
3億6,960万円 |
北浜地区区画整理関連下水道事業として | 1億9,183万5千円 |
水道施設等災害復旧事業として | 2億6,000万円 |
同じく、「産業・経済の復興」にかかる事業といたしましては、
事業 |
予算額 |
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高度衛生管理型荷さばき所整備事業として | 5,400万千円 |
地域資源利活用促進支援事業として |
1億752万5千円 |
海岸通地区震災復興市街地再開発事業として | 6億4,659万8千円 |
新規事業につきましては、
事業 |
予算額 |
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塩竈市観光振興ビジョン策定事業として |
1,950万円 |
同じく、「放射能問題に対する取組」にかかる事業といたしましては、
事業 |
予算額 |
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放射能測定事業として |
810万2千円 |
学校や保育所の給食食材に対する放射能測定事業として | 89万8千円 |
水産物の放射性物質検査等委託事業として | 550万円 |
同じく、「浦戸地区の復興」を推進する事業といたしましては、
事業 |
予算額 |
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寒風沢地区防災集団移転促進事業として |
3,310万2千円 |
桂島地区漁業集落防災機能強化事業として |
1億9,300万円 |
野々島地区漁業集落防災機能強化事業として | 2億7,800万円 |
寒風沢地区漁業集落防災機能強化事業として | 7,500万円 |
漁港施設災害復旧事業として |
29億2,441万6千円 |
野々島地区漁港施設機能強化事業として |
2,100万円 |
復興支援員による浦戸諸島復興支援事業として |
1,564万円 |
などを計上いたしております。
平成29年度の予算につきましては、前年度に引き続きまして、「第5次長期総合計画」に基づくまちづくりと「震災復興計画」に基づく復興事業を相互に連動させながら、政策間の連携を図ることによって戦略的に効果を高める事業に重点化を図り、計上いたしております。
本市の復興の早期実現と地方創生の推進に繋がる事業を峻別しながら、将来に向けて持続可能な行財政運営に努めてまいります。