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これまで申し上げました市政運営の基本方針に基づきまして、編成いたしました平成28年度予算案の概要を申し上げます。
未曾有の大震災から5年が経過いたしますが、集中復興期間の5か年間、震災からの一日も早い復旧・復興を実現するため、これまで数多くの施策を予算化してまいりました。それに伴いまして、予算規模は震災前の2倍程度にまで増大いたしております。
国におきましては、被災自治体の復旧・復興状況を踏まえ、平成28年度の地方財政計画により、復興期間の後期5か年であります「復興・創生期間」においても、震災復興特別交付税が引き続き計上される等、被災自治体の早期復興のための支援の継続が示されております。
一方、いわゆる「アベノミクス効果」による国全体として見た地方税収の増等の理由により、地方交付税は16兆7,003億円で前年度から0.3%減、交付税の振り替わりであります臨時財政対策債は3兆7,880億円で16.3%減等、前年度に引き続き大きく減額されております。
このことによりまして、未だ地方税が震災前の規模に回復していない被災自治体の一般財源は、さらに厳しい状況となることが見込まれております。
これらの状況を踏まえ、平成28年度の予算編成におきましては、国の平成27年度の補正予算における有利な財源を活用することで、平成28年度事業の前倒しによる財源の確保を図ったところであります。
さらに「戦略的予算枠」といたしまして、昨年度に引き続き「定住促進枠」「ふるさと復興枠」「既存ストック再生枠」を設定し、『第5次長期総合計画』と『震災復興計画』の実現に向けて効果的な事業を峻別しながら予算化いたしております。
各会計の予算額でありますが、
一般会計につきましては、392億9,000万円で、前年度と比較して73億2,000万円の減15.7%減であります。
特別会計につきましては、10会計の予算総額で236億150万円、前年度と比較して11億8,300万円の減、4.8%減となっております。
主な内容といたしましては、魚市場事業特別会計における新魚市場の補完施設整備にかかる事業費の減や、北浜地区及び藤倉地区復興土地区画整理事業特別会計における事業費の減等、復興事業予算の減によるものであります。
その他、国民健康保険事業特別会計につきましては、保険給付費及び共同事業拠出金の減に伴います減額予算でありますほか、公共用地先行取得事業特別会計が地方債の借換分の大幅減に伴いまして減となっております。
また、水道事業と市立病院事業の企業会計の予算総額は、支出の合計で61億5,962万円となり、前年度から7.3%の減となっております。
水道事業会計につきましては、梅の宮浄水場排水処理施設更新事業及び同施設内におけます電気計装設備更新事業を新たに計上しましたが、災害復旧事業費が前年度から大きく減となったことによりまして、前年度から11.9%の減となっております。
また、市立病院事業会計につきましては、新改革プランに基づいた予算といたしまして、更なる医事業務改善による増収対策やコスト縮減を目指しながら、企業債を活用した医療環境の向上を図り、前年度から2.8%減の予算とし、経常収支の黒字を確保した予算となっております。
以下、新年度に行う事業につきまして、主なものを申し上げます。
まず、『第5次長期総合計画』の基本目標である『だれもが安心して暮らせるまち』を実現するための事業といたしまして、
事業 |
予算額 |
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妊婦健診事業として | 3,486万7千円 |
待機児童ゼロ推進事業として | 515万6千円 |
放課後児童クラブ運営事業として | 8,315万9千円 |
子ども医療費助成事業の拡大事業として | 7,572万6千円 |
子育て支援センターの土・日曜日開所に係る事業拡大分として | 237万4千円 |
地域包括支援センター運営事業として | 5,184万円 |
水道老朽管更新事業として | 1億7,389万円 |
NEWしおナビ100円バス運行事業及び拡大事業として | 2,122万9千円 |
新規事業につきましては、
事業 |
予算額 |
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特定不妊治療費助成事業として | 300万円 |
地域医療介護総合確保事業補助金交付事業として | 2億98万7千円 |
介護予防・日常生活支援総合事業として | 1億2,581万7千円 |
コンビニエンスストア証明書交付事業として | 2,995万円 |
市道・橋りょうの整備事業として | 1億8,000万円 |
同じく、「海・港と歴史を活かすまちづくり」を推進する事業といたしましては、
事業 |
予算額 |
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水揚げ奨励補助金事業として | 650万円 |
遠洋底曳網漁船誘致促進事業として | 400万円 |
宮城県漁業協同組合預託金として | 2億円 |
商店活性化促進事業(シャッターオープン・商人塾)として | 400万8千円 |
割増商品券事業として | 4,500万円 |
中小企業振興資金等預託・信用保証料補給事業として | 4億4,100万円 |
第3期都市再生整備計画事業として | 7,590万円 |
地域おこし協力隊による浦戸産業担い手確保事業として | 2,600万円 |
新規事業につきましては、
事業 |
予算額 |
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魚体選別機整備事業として |
1億2,000万円 |
電動フォークリフト導入支援事業として | 1,500万円 |
同じく、「夢と誇りを創るまちづくり」を推進する事業といたしましては、
事業 |
予算額 |
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小中学校図書整備事業として | 641万4千円 |
小中学校特別支援教育支援員設置事業として | 1,885万3千円 |
外国語教員(ALT)招致事業として | 1,711万5千円 |
集会所整備等助成事業として | 130万円 |
新規事業につきましては、
事業 |
予算額 |
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小中一貫教育推進事業として | 470万4千円 |
みやぎ子どもの心のケアハウス事業として | 2,164万3千円 |
平成29年度高等学校総合体育大会事業として | 354万9千円 |
塩竈市議会中継事業として | 2,415万5千円 |
次に「震災復興計画」の早期実現に向けた事業のうち、「住まいと暮らしの再建」を促進する事業といたしましては、
事業 |
予算額 |
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宅地防災対策支援事業として | 4,120万円 |
災害公営住宅整備事業として | 88億8,158万円 |
災害公営住宅集会所備品整備事業として | 150万円 |
ふれあいサポートセンター運営業務委託事業として | 2,474万5千円 |
津波被災住宅再建支援事業として | 3億142万3千円 |
被災者健康支援事業として | 1,410万円 |
仮設住宅交通支援事業として | 1,370万円 |
学習支援事業(しおがまチャレンジ教室)として | 300万円 |
被災児童生徒就学援助事業として | 1,473万9千円 |
新規事業につきましては、 | 150万円 |
新規事業につきましては、
事業 |
予算額 |
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「神戸招待プログラム」塩竈交流事業として | 150万円 |
同じく、「安全な地域づくり」を推進する事業といたしましては、
事業 |
予算額 |
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港町地区津波復興拠点整備事業として | 6億1,380万円 |
新浜町杉の下線道路事業として | 3億4,364万円 |
北浜地区及び藤倉地区被災市街地復興土地区画整理事業として | 8億5,500万円 |
公共下水道災害復旧事業として | 10億7,800万円 |
藤倉二丁目地区下水道事業として | 4億8,010万2千円 |
越の浦地区下水道事業として | 16億7,495万円 |
港町二丁目地区下水道事業として | 7億7,683万円 |
北浜地区区画整理関連下水道事業として | 3億8,144万5千円 |
水道施設等災害復旧事業として | 3億1,100万円 |
同じく、「産業・経済の復興」にかかる事業といたしましては、高度衛生管理型荷さばき所整備事業として
事業 |
予算額 |
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高度衛生管理型荷さばき所整備事業として | 8億6,579万5千円 |
海岸通地区震災復興市街地再開発事業として | 1,053万1千円 |
海岸通地区震災復興市街地再開発事業として | 8億2,664万円 |
同じく、「放射能問題に対する取り組み」にかかる事業といたしましては、
事業 |
予算額 |
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放射能測定事業として | 830万7千円 |
学校等の給食食材に対する放射能測定事業として | 93万8千円 |
水産物の放射性物質検査等委託事業として | 550万円 |
同じく、「浦戸地区の復興」を推進する事業といたしましては、
事業 |
予算額 |
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桂島地区漁業集落防災機能強化事業として |
3億2,950万円 |
野々島地区漁業集落防災機能強化事業として | 4億7,500万円 |
寒風沢地区漁業集落防災機能強化事業として | 2億5,230万円 |
漁港施設災害復旧事業として | 10億4,600万円 |
漁業集落排水施設災害復旧事業として | 1億1,350万3千円 |
復興支援員による浦戸諸島復興支援事業として | 3,200万円 |
等を計上いたしております。
平成28年度の予算におきましては、『第5次長期総合計画』に基づくまちづくりと、『震災復興計画』に基づく復興事業を相互に連動させながら、政策間の連携を図ることによって戦略的に効果を高める事業に重点化を図り、計上いたしております。
本市の財政状況は、国の地方交付税や復興関連予算等の動向により、一層厳しさを増すことが想定されますことから、「選択と集中」により、復興の早期実現と地方創生の推進に繋がる施策をより一層推進し、将来に向けて持続可能な行財政運営を確立してまいります。