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まず、長期総合計画に掲げられている「塩竈の特性と地域資源を生かした、活気あるまち」の実現に向け、賑わいと活力のあるまちづくりを進める「元気です塩竈」への取り組みであります。
資源の減少や魚価低迷により、魚市場の水揚げ高は減少が続き、マグロ類については、国際的な漁獲規制が進められ、競争力強化に向けた対応が喫緊の課題となっています。
このような中、メバチマグロのブランド「三陸塩竈ひがしもの」は、全国的にも高い評価をいただいています。この取り組みをさらに強めるとともに、水揚げ漁船に対する奨励金を継続しながら、業界と一体となって漁船誘致や販売促進に努め、魚市場の水揚げ回復を図ってまいります。
また、魚市場の上屋の一部を改修し、衛生管理の向上を図りながら、食の安全と安心の要請に応えていきます。
さらに、漁港の今後の方向性を明確にし機能を強化するため、国の漁港高度利用促進事業により、地域水産業の活性化推進計画を策定します。
次に、水産加工業でありますが、加工業者の生産技術向上のため、水産加工開放実験室の活動を助成し新商品開発を進めるとともに、フード見本市などの販路開拓を支援してまいります。
県内への自動車産業の進出に伴い、海上物流基地としての港湾の役割はますます重要になります。平成20年に改定された「仙台塩釜港港湾計画」に基づき、仙台港と塩釜港が互いの役割を補完し、相乗効果による港湾の活性化を図ってまいります。その一環として、塩釜港に入港する冷凍貨物船に対する助成を継続して、仙台港からの貨物船のシフトを推進するとともに、業界の協力を得ながら、ポートセールスを展開いたします。
さらに、本市にゆかりのある経済界の方々を「産業大使」に委嘱し、産業振興についての助言をいただき、企業誘致や雇用の創出につなげてまいります。
昨年の「仙台・宮城【伊達な旅】キャンペーン」では、首都圏を始めとして全国から多くのお客様にお越しいただき、塩竈の魅力を体感していただきました。
特に「寿司海道」や「三陸塩竈ひがしもの」、古来の製法による「藻塩」を生かした料理やお菓子などがメディアに取り上げられ、「食のまち塩竈」の魅力が定着しつつあります。
鹽竈神社や亀井邸周辺、本町などをはじめとした街中は、観光マップを手にした多数の観光客で賑わっております。また、フランスの著名な観光情報誌「ミシュラン・グリーンガイド・ジャポン」では、東北で唯一の「☆☆(ふたつぼし)」の都市として紹介されるなど、「観光のまち塩竈」が世界に発信され始めております。
次に、賑わい再生の最重点事業として取り組んできた「海辺の賑わい地区」でありますが、まもなく本塩釜駅前広場が完成し、新たな都市空間が誕生いたします。
また、本塩釜駅からマリンゲート塩釜までの海辺には、歩行者道路や文学碑の道が竣工することから、「道そのものが博物館」として整備してきた「鹽竈海道」へ続く本市の都市軸が完成し、さらなる賑わいを創出してまいります。
長年の課題でありました宮町の神社参道線につきましては、交差点を拡幅し、水路の整備と合わせて、歴史と文化のまちにふさわしい景観の創出に取り組みます。
中心商店街につきましては、シャッターオープン事業により空き店舗を活用した商業展開を支援しております。マグロ専門店に続き、これまで塩竈にはなかったアパレル産業の本社が進出し、地元商店街に新しい風を呼び込みましたが、さらに本年も新たな事業者誘致に努めてまいります。
また、県が昨年実施した消費購買動向調査によれば、市民の皆様の市内での買回り品の購買割合が約6ポイント上昇し、これまでの魅力ある商店街づくりが着実に進展しています。今後もこの流れを加速させるため、商業活性化の事業を展開し、消費者に支持される商業の振興を図ります。
雇用不安が広がる中、国・県の制度を最大限に活用し、市内での雇用促進と地域経済の活性化を図ってまいります。また、厳しい就職活動が続いている高校新卒者、退職を余儀なくされた中高年を臨時的に採用し本市独自の雇用対策を実施します。さらに、生活支援として労働福祉対策融資や、中小企業者の経営の安定を図るため、中小企業振興資金融資枠を大幅に拡大してまいります。