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施政方針(令和7年度)

印刷用ページを表示する 更新日:2025年2月20日更新

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令和7年度施政方針 [PDFファイル/504KB]

 

令和7年度の予算案をはじめとする議案をご審議いただくにあたりまして、市政運営の所信の一端と施策の主な内容について説明申し上げます。

本格的な少子高齢化と人口減少が現実のものとなった今、我が国は、人口構造の変化に伴う働き手不足や社会保障費の増大、経済成長の停滞などの深刻な課題に直面しており、あらゆる分野において、将来を展望した新たな成長戦略が求められております。

さらには、不安定さを増す国際情勢や日米の金利差等に起因した過度な円安が続いており、長年の内需の高まりと円高基調等に支えられてきたビジネスモデルの大胆な見直しが急務となっております。

このような状況の中、政府においては、日本全体の活力回復を重要政策の主眼に置きながら、「賃上げと投資が牽引する成長型経済」を実現しつつ、世界に先立つイノベーションが常に生み出される豊かな国づくりを目指すことを掲げております。

また、地域の希望・熱量・一体感を取り戻し、若者や女性にも選ばれる地方を創るため、「地方創生2.0」として、魅力ある仕事づくりや働き方改革による労働生産性の向上、デジタル新技術の徹底活用などを進めるとともに「新しい地方経済・生活環境創生交付金」を創設し、地域資源を最大限活用した農林水産業や観光産業等の高付加価値化などの取組を支援するとしております。

このように、グローバル化の進展や社会構造の変化により経済情勢が変容を遂げ混迷が深まる中、我々地方自治体には、その変化に迅速に対応するための柔軟性や機動力のみならず、足元の現実を直視しながら市民一人ひとりの声に耳を傾け、目の前の課題に真摯に向き合い、その解決に向け愚直に取り組んでいく姿勢が求められております。

令和7年度は、厳しい市政運営が求められる中、市民の皆様との対話を更に深め、そして寄り添いながら「海と社に育まれる楽しい塩竈」の実現に向け、市民の皆様と共に邁進していく所存であります。議員各位をはじめ市民の皆様のご支援とご協力を賜りますようお願い申し上げます。

市政運営の基本方針

続きまして、令和7年度の市政運営の基本方針について説明申し上げます。

はじめに、重点課題として位置付け、これまで検討を進めてきました、「ごみ処理施設」や「市役所本庁舎」などの整備につきましては、これまでにない建設物価高騰の状況を踏まえますと、今後の財政運営への影響が危惧されることから大きな方針転換を余儀なくされております。

これ以上先送りできない課題を前に進めていくためには、現下の厳しい局面と真正面から向き合い、市政を預かる市長として、将来に向けた見通しを示さなければならないものと認識しております。

そのため、様々な視点から冷静に分析を行い、市民や議員の皆様の声を丁寧にお聞きしながら議論を重ね、目指すべき方向を再検討してまいります。

また、令和7年度は、第6次長期総合計画の前期5ヵ年の基本計画が4年目を迎えますので、次の5年間のまちづくりの指針となる後期基本計画の策定を視野に入れながら、各分野の施策を着実に前進させていく年度となります。

残された課題をしっかりと見極め、市民や事業者の皆様との連携により一体感を高めながら、前期基本計画の推進に取り組んでまいります。

昨年度は、未来を担う子どもたちの育成支援に重点を置き、子育て世代から「選ばれるまち」となるよう、保育サービスの拡充を含めた子育て環境の充実や子どもの成長を共に見守る施策の展開に努めてまいりました。

令和7年度においても引き続き、子どもたちの健やかな成長と、子育てや教育を支える体制の充実を図りながら、ふるさと塩竈への愛着と誇りの醸成に向けた施策を推進してまいります。

さらに、持続可能なまちづくりに向けては、これまで様々な民間企業の皆様と連携体制を整えてまいりました。再整備を進めている伊保石公園においては、都市公園法に基づく設置管理許可制度による民間活力を導入し、本年7月頃に東北初進出となる自然一体型のアクティビティ施設が誕生する運びとなりました。これを地域の活力向上の契機とし、新たな発想による未利用施設の有効活用など、市内各エリアの総合的な見直しに波及させ、市民の皆様が楽しく遊び、癒され、交流できるまちへ生まれ変わらせるとともに、市外からも多くの方に足を運んでいただけるよう地域全体を盛り上げてまいります。

本市が持つ魅力ある個性と民間の活力の組み合わせによる相乗効果により、これまで蒔いた種が100周年に向けて花開くよう、未来へと続くまちづくりを力強く推進してまいります。

重点課題への対応

続きまして、私が市長就任以来、重点課題として位置付けている7つの重点事業についてご説明いたします。

主にハード整備を伴います重点課題への対応として、優先的に整備を進める「ごみ処理施設」、建築後64年が経過し老朽化が著しい「市役所本庁舎」、同じく老朽化が進む「市立病院」につきましては、優先順位を定め、様々な角度から検討を重ねてまいりました。

 「ごみ処理施設」につきましては、市民生活に欠くことのできない根幹的なインフラであることから、重点課題の中でも最優先と捉え、現地再建に向けた取組を進めてきたところであります。

しかしながら、当初の想定よりも所要一般財源が多額となる見込みとなったことなどから、本市単独での施設整備を断念する方針とした次第であります。

今後につきましては、市民の皆様の生活に支障が生じないよう、既存施設の延命化を図るほか、将来的な廃棄物処理の在り方について、広域化をはじめとしたあらゆる手法を検討してまいります。

また、「市役所本庁舎」につきましても、これまで整備に向けた基本構想・基本計画の策定に向けた取組を進めてまいりましたが、最優先で取り組む廃棄物処理の今後の方針やそれに伴い負担すべき費用が明確となっておらず、先々の見通しに与える影響の大きさが不透明な状況にあります。

あわせて、庁舎整備においても所要一般財源が多額となる見込みとなったことから、現時点では事業を凍結する方針としたところであります。

今後につきましては、現在の本庁舎における安全性・耐久性の調査を行い、必要に応じて維持補修を実施するほか、市民の皆様の利便性の向上につながるよう、壱番館庁舎の利活用についても検討してまいります。

なお、「市立病院」につきましては、安全・安心な地域医療の提供に向け、病棟における病室や廊下、トイレの整備などの病院改修事業に取り組み、利用される方の療養環境の向上と職場環境の改善を図ってまいります。

「学校再編」につきましては、昨年「市立学校規模適正化等検討委員会」を教育委員会の附属機関として設置し、今後の児童生徒数の推移などを見据えた学校規模の適正化について議論を重ねて来たところであります。

令和7年度においては、保護者や地域住民、児童生徒を含めました学校現場からの意見を踏まえ、今後の望ましい教育の在り方を念頭に、市としての考え方をとりまとめてまいります。

「門前町再生」につきましては、これまでの門前町ミーティングから得た意見や門前町カフェタイムによる実証実験の結果を踏まえ、賑わいのある門前町となるよう、引き続き、歩行者利便増進道路、通称ほこみちの指定に向け、県や関係機関との協議を進めてまいります。

また、門前町エリアの拠点としてのポテンシャルを有する宮町庁舎跡地の活用について調査研究に取り組むほか、地域や事業者の方々が門前町ミーティング参加者と共に意見交換や地域を学ぶ機会を提供するなど自発的活動を支援し、将来の地域社会の担い手づくりにも取り組んでまいります。

「産業創出再生」につきましては、水産食材の供給基地としての「みやぎの台所・しおがま」の創造を力強く推し進めていくため、「三陸塩竈ひがしもの」の磨き上げや新たな魚種のブランド化など、引き続き関係者の皆様と議論を深めてまいります。また、小学生や親子を対象とした魚食文化の普及啓蒙や大型量販店、交流都市での幅広いプロモーション活動等に取り組んでまいります。

あわせて、水産加工業に携わる皆様においては、円安・物価高による輸入原魚の高騰や人手不足等により厳しい経営環境が続いておりますので、消費者ニーズや販売チャネルの多様化に対応できるよう、インターネット等を介した通信販売等を行う事業者の支援を継続してまいります。

また、仲卸市場では、後継者不足などの課題も抱えている中、ブリッジプロジェクトの皆様が中心となり、セブンストリートやバーベキューコーナーの整備、マルシェの開催など、新たな客層を意識した集客に取り組んでおられます。本市といたしましても空き盤台の活用による新規出店等を支援するなど更なる賑わいづくりを後押ししてまいります。

「浦戸の再生」につきましては、幅広い世代の皆様から浦戸諸島への興味や関心を寄せていただけるよう、子どもたちの校外学習支援と桂島防災集団移転跡地の利活用を兼ねた芝生定植ワークショップに継続して取り組んでまいります。

また、島内での買い物環境を拡充するなど、島民、さらには観光客の皆様にも満足していただけるよう買い物困難者への生活支援に努めるとともに、1次産業の振興や魅力の発信を担う地域おこし協力隊の皆さんの活動支援として、ブルーセンターの一部を集いの空間として活用するなど環境を整えてまいります。

さらに、離島航路の維持に向け策定した「第3期交通事業会計経営健全化計画」に基づき、市営汽船の効率的な運航と利用促進を図りながら収入確保と経費削減に取り組み、経営基盤の安定を図ってまいります。

第6次長期総合計画

続きまして、第6次長期総合計画に基づく令和7年度の主要施策について、主な分野ごとに述べさせていただきます。

はじめに、子どもたちの笑い声があふれるまちを目指す「子ども」の分野について申し上げます。

本市が持続可能なまちとして輝き続け、住まう人々が幸せを実感できるよう、子育て世帯のライフステージに応じた切れ目のない、きめ細かな支援について組織横断的に取り組み、子どもを産み育てやすい環境を整えながら子育て世帯に選ばれるまちづくりを推進してまいります。

まず、妊娠期から未就学期までの支援についてであります。

「生命(いのち)の誕生と子育ての感動を分かちあい、子どもたち一人ひとりが光り輝くまち しおがま」を基本理念とした「第3期のびのび塩竈っ子プラン」に基づき、子どもがのびのびと健やかに育つまち、親が安心して子どもを産み育てられるまち、地域社会が子どもの育ちと子育てを支えるまちづくりに取り組んでまいります。

また、令和6年度から、全ての妊産婦、子育て世帯、子どもへの一体的な相談支援を行うための総合窓口として「こども家庭センター」を開設いたしました。引き続き、子育て支援の拠点として関係機関との連携体制を強化・充実しながら、多様な家庭環境に寄り添ったきめ細かなサービスを提供してまいります。

そのほか、妊産婦等へ出産や子育てに係る支援給付などの経済的支援や妊婦等包括相談支援事業、産後ケア事業等を通じた身体的・精神的なケアを含む伴走型の相談支援を行うとともに、子育ての不安解消と孤立予防を目的とした各種講座や相談会を開催し、妊産婦や子育て期の保護者同士の交流促進を図るなど、安心して出産・育児ができる環境を強化してまいります。

令和7年度には、保護者が気分転換にサロンやリラクゼーション等で利用できる「育児ママパパリフレッシュチケット事業」を新たに創設し、市内事業者と連携しながら地域全体での子育て支援体制を整えてまいります。

また、市内で生まれた赤ちゃんとそのご家族には、新たな命の誕生をお祝いするギフトを贈呈し、子どもの健やかな成長を支えてまいります。

保育事業につきましては、令和6年4月より新たに2つの民間保育施設が運営を開始するとともに、東部保育所を民営化し、待機児童の解消や受入れ環境の充実、多様な保育サービスを提供しているところです。

令和7年度は、さらなる保育ニーズに対応するため、民間保育園による病児・病後児対応型の保育を支援するとともに、公立保育所による医療的ケア児の受入れに向けた体制を整備してまいります。

次に、学校教育についてであります。

変化し続ける社会情勢の中で、未来を自ら切り開く力と自己実現を目指す意欲や態度を育むため、第2期塩竈市教育振興基本計画に掲げる「目指すべき姿」の理念である「ともに学び 時をつなぎ 人が輝く」教育の実現を目指し、未来に羽ばたく塩竈っ子の育成に取り組んでまいります。

これまで実施してきた「学びの共同体」による取組は、児童生徒の学校生活の意欲向上に結び付くなどの成果はあった一方で、学力向上には十分に効果が表れていない現状も見受けられたことから、これまでの取組を検証し、従来の授業における課題を整理いたしました。今後は「ともに学び 時をつなぎ 子どもが輝く授業 ~しおがま学びの10の視点~ 」を新たな授業改善の方策として位置付け、基礎学力定着のための「朗誦教育」を推進するほか、学校外にも学びのための居場所を設けながら、大学生ボランティア等の力を借りた学習支援を行うなど、学力の向上を図るための新たな取組に挑戦してまいります。

あわせて、情報教育を支える基盤的なツールである学習支援クラウドやAI型ドリル等を積極的に活用し、情報活用能力などこれからの社会を生き抜くために必要な力の育成につながる教育を提供するとともに家庭での学習環境の充実を図ります。

さらに、民間企業との連携を図り、様々な職業や地域文化等を体験型のオンライン授業として実施するなど、多様な学びの機会の提供と幅広い知識の習得を支援してまいります。

昨年度に引き続き、第二中学校の長寿命化改良工事を進め、あわせて教育環境における熱中症対策の一環として、体育館に空調設備を導入し、安全・安心で快適な教育環境の整備に努めてまいります。

学校給食においては、食材の質を確保しつつ、物価高騰による保護者の負担軽減を図るため、国の交付金を活用した食材購入費の一部支援を行います。

生活困窮世帯の子どもに向けた教育支援につきましては、学習環境の支援にとどまらず、進路相談や将来を見据えた社会性を養うための支援も実施し、貧困の世代間連鎖の防止に努めてまいります。

次に、若い世代の移住・定住の促進に向けた取組についてであります。

子育て世代の転入促進に向けては、子育て・三世代同居近居住宅取得支援事業による住宅取得のための経済的支援を継続しながら、首都圏からのUIJターンによる若い世代の移住促進にも力を注いでまいります。

新たにご結婚された方々には、新たな門出を祝福するため、お祝い金の贈呈を引き続き実施するとともに、結婚を希望される方々に向けましては、本市ならではのロケーションなどを生かした出会いの場を提供し、結婚に向けた活動の支援と定住のきっかけづくりを行います。

また、伊保石公園管理棟など、公共施設の空きスペースを有効活用した子どもの遊び場を市内に点在させ、子どもたちが楽しく体を動かしながら心身を育む機会を創出し、子育て環境の充実を図るとともに、多世代が交流できる場所として利活用に努めます。

次に、みんなが生き生きしているまちを目指す「福祉」の分野についてであります。

日常生活を送るうえでの困難や生きづらさを抱えている方々を、社会で支え合いながら自分らしく活躍できる、誰一人取り残さない地域共生社会を実現するため、地域や関係者との連携を深め、地域福祉計画の基本理念に掲げる「地域で支え合い、みんなで認め合う、安心・安全なまちづくり」に向けた取組を進めてまいります。

また、地域福祉事業の担い手である社会福祉協議会や高齢者の生きがいある生活の実現に取り組むシルバー人材センターなどの安定運営を支援し、地域生活課題の解決とともに持続可能な福祉基盤の充実に努めます。

高齢者の皆様には、これからも安心して暮らしていただけるよう、デジタル機器を活用した見守りサービスの導入に係る費用の助成に加え、事業者の配食業務による安否確認といった高齢者の生活環境に合わせた見守り体制の充実を図るなど、地域の様々な分野の事業者と連携した日常生活の支援に取り組んでまいります。

また、高齢者同士の交流機会や生きがいを創出するため、高齢者の通いの場・交流の場の情報発信に努めるとともに、地域のサロン活動を支援し、誰もが地域社会に参画できる環境の充実を図ります。令和7年度は、3年間を計画期間とする高齢者福祉計画の中間年となりますので、これまでの施策の検証とニーズを捉えた課題の抽出など、次期計画策定に向けた準備に取り組んでまいります。

さらに、地域住民の皆様の健康増進を図るため、ウォーキングイベントなどの開催により、楽しみながら健康な心と体をつくる取組を進めるとともに、食事による栄養バランスや塩分摂取量を意識していただく啓発活動にも力を入れながら健康寿命の延伸を目指してまいります。

次に、快適に住み続けられるまちを目指す「生活」の分野であります。

まず、災害に強くしなやかなまちづくりに向けて、老朽化した防災行政無線を更新し、迅速かつ機動的な情報提供を可能とするなど、災害時などに的確に情報を伝達できる環境を構築してまいります。

また、空き家対策につきましては、総合案内窓口を起点とした危険空家の把握や発生抑制に向けた取組を進めるとともに、引き続き空き家バンクによる流通や利活用の促進に努めてまいります。

コミュニティバスにつきましては、本年4月からNEWしおナビバスの運行を、市内の大型量販店へ乗り入れるルートに変更し、利便性の向上を図りながら市民の皆様の足として、より愛される交通手段となるよう努めてまいります。

さらに、住みたい・住んでみたいまちづくりを進めるため、策定からおおむね10年を迎える都市マスタープランを見直すとともに、人口減少をはじめとする様々な行政課題を踏まえた「立地適正化計画」を新たに策定し、持続可能なコンパクトシティ形成に向けた取組を推進してまいります。

次に、活気があり、誇りをもって働いている人がたくさんいるまちを目指す「産業」の分野であります。

本市の基幹産業である水産業と水産加工業は、コロナ禍からの回復が見られたものの、円安やエネルギー価格等の高騰により、引き続き厳しい状況に直面しています。活気に満ちた地域産業を取り戻すため、水産品・水産加工品の販路拡大に向けた支援を力強く進めてまいります。

先般明らかとなりました塩竈市魚市場の卸売業者による不適切な取引に関しましては、市場開設者として、県からの卸売業務の改善措置命令を重く受け止め、卸売業者への行政処分や問屋への申し入れ及び業務規則の改正等による再発防止策を講じたところであります。今後は地方卸売市場の適正かつ健全な運営と信頼の回復に努めてまいります。

地域経済の振興に関しましては、小規模事業者チャレンジ支援事業を通じて意欲ある小規模事業者の生産性向上や販路拡大に向けた新たな挑戦を引き続き後押しし、地域の活力を高めてまいります。

次に、何度でも訪れたいまちを目指す「交流」の分野であります。

観光資源に恵まれた本市の観光振興と観光ニーズの変化に対応していくため、「塩竈市観光振興ビジョン」に基づくこれまでの取組を検証し、新たなビジョンへ改訂を行い、インバウンドをはじめとする交流人口と観光消費額の拡大を目指してまいります。

また、ベイエリアの賑わいづくりの拠点である旅客ターミナルマリンゲート塩釜につきましては、物販エリアが空洞化するなど施設全体の刷新が急務であることから、専門的な知見を取り入れた施設のブランディングに取り組み、賑わいあるベイエリアの再生につなげてまいります。

さらに、シティプロモーションを専門的に担う組織を新設し、SNSアンバサダー「しおがまPR隊」と共に本市の魅力を戦略的に全国へ発信しながら、関係人口や交流人口の増加を図るとともに、ふるさと納税の推進や、移住・定住の促進に努めてまいります。

次に、日常に彩りがあるまちを目指す「文化」の分野であります。

幅広い年代の市民の皆様が地域への愛着を深めていただけるよう、市内各所を周遊し、本市の歴史や文化、自然について学ぶ機会を引き続き提供してまいります。

また、本市の指定文化財であり、地域産材の利用や先進的な木構造が採用された公民館本町分室及び杉村惇美術館につきましては、耐震調査の結果に基づいた耐震補強を行いながら、歴史的建造物の保存に留まらず、文化の創造・発信の拠点として活用してまいります。

生涯スポーツの振興につきましては、昨年、屋外バスケットゴールを設置した中の島公園を中心として、幅広い世代が気軽にスポーツを楽しめる施設の整備を更に進めるほか、スポーツ振興の基幹的施設である体育館の大規模改修に取り組んでまいります。

次に、みんなが主役になれるまちを目指す「協働」の分野についてであります。

 行政運営を持続可能なものとしていくためには、町内会や市民活動団体などが互いに連携・協力し合い、より良い地域社会として取組を積み重ねていくことが不可欠であると認識しております。

市民の皆様の創意工夫にあふれた自主的な企画や、地域課題の解決に向けた活動を引き続き支援してまいります。

コミュニティ活動の促進に向けては、町内会に対しレクリエーション用品を贈呈し、気軽に集い活動できる環境の整備に取り組んでまいりました。令和7年度は、地域コミュニティの拠点となる集会所施設を、安心・快適に利用し続けていただけるよう、町内会との連携を密にし、施設の維持補修を支援してまいります。

また、昨年度は、民間企業と連携し、本庁舎に人工知能を用いたAIコンシェルジュをモデル事業として設置したところです。

今後も民間企業が持つデジタル技術を活用した行政手続きのオンライン化やキャッシュレス化などを推進し、市民サービスの向上と業務の効率化に取り組んでまいります。

未来への礎の創造

続きまして、市制施行80周年を契機に、100周年を見据えた未来への礎を築く事業について説明申し上げます。

未来を担う世代が夢を実現していくことの大切さとその価値を実感できるよう、「しおがまっ子夢応援プロジェクト」を継続して実施し、子どもたちの成功体験や自己肯定感を養うとともに、挑戦する意欲を育ててまいります。

また、異文化に触れながら自己表現力や多文化共生社会への認識を高めていけるよう、相互交流が図られた韓国の中学校との交流を更に深めるなど、国際交流事業を引き続き実施し、国際社会で活躍できる人材の育成に取り組んでまいります。

さらには、思い出に残るアート制作を通じて、子どもたちの創造性や発想力、好奇心を育みながら、シビックプライドの醸成と未来を担う人材育成に努めてまいります。

地域の宝である子どもたちは無限の可能性を秘めております。その子どもたちが本市への愛着と誇りを持ちながら健やかに伸びやかに育ち、やがて世界へ羽ばたき、ふるさと塩竈のために活躍される姿を夢に描きながら、全力で支援してまいります。

結び

​以上、市政運営に取り組む所信の一端と施策の方向性についてご説明いたしました。

今年は乙巳年、外からの抵抗力が強い中にあっても屈することなく、これまでの慣習にとらわれず、弾力的に新しい歩みを進める年と言われております。

市制施行100周年に向けて、先行きの見えない社会情勢の中にあっても、私たちは変化を恐れずしっかりと未来を見据え、努力を怠ることなく着実に歩みを進めていかなければなりません。

私が深く胸に刻んでいる言葉のひとつに「雲外蒼天」があります。これは「困難を乗り越えた先には、明るい未来が待っている」という意味です。

今私たちは、社会の大きな転換期に直面し、数多くの課題と対峙しておりますが、時代の流れを的確に捉え、一つひとつの課題に真摯に向き合いながら、乗り越えた先に待つ明るい未来を迎えるべく、全力を尽くしてまいります。

そして、その未来を次の世代へしっかりと手渡していきたいと考えております。

これまで、塩竈を築き上げられた先人たちの想いを受け継ぎ、「海と社に育まれる楽しい塩竈」の実現に向け、何事にも勇往邁進、取り組む所存であります。

市民の皆様並びに議員各位のご理解とご支援を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。

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