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東日本大震災に係る災害廃棄物の処分に関して、市が処理を委託しておりました塩釜市災害復旧連絡協議会に関連した記事等によりまして多くの市民の皆様方、記者クラブの皆様方、そして災害復旧復興にご尽力いただきました皆様方に大変ご心配をおかけいたしました。心からお詫びを申し上げます。
これら一連の経過について、昨日塩竈市議会全員協議会において災害廃棄物処理の委託状況、及び各種報道等に関する疑義について説明をいたしました。その内容について本日説明させていただきます。
はじめに、市では震災以前の平成20年2月19日付けで、大規模災害における応急対策業務に関する協定書を塩竈市災害防止協力会と塩釜建設協議会と併せて締結いたしました。震災発生後の平成23年3月12日付けで、協定を基に復興復旧に向けた迅速な対応のため、この2つの代表者の連名をもちまして塩釜市災害復旧連絡協議会が組織された旨の内容を市に提出いただきました。
その後本市におきましては、各種協定に基づいて、災害廃棄物の処理を委託し、今日まで取り組んでまいりました。資料別紙3の46ページに、今日まで塩竈市災害復旧連絡協議会と協定をいたしました一覧を書きだしております。47ページには、25年2月28日に予算委員会に提出した塩釜市災害復旧連絡協議会の名簿を掲載しております。各種協定をもって取り組みました、委託業務の全容について、説明いたします。
全員協議会資料、1ページは本市が今日まで発注してきました災害廃棄物処理業務の一覧です。
左から委託業務・工事名称、請負業者名、事業概要、平成23年度決算、24年度決算見込み、25年度予算額。東日本大震災に係る、災害廃棄物について、本市がその処理を委託した塩釜市災害復旧連絡協議会の業務及びその委託の内容は、1つは災害廃棄物運搬業務です。
また2つ目は、1次仮置場の管理業務です。3つ目は、危険建物解体業務です。災害復旧連絡協議会分として、委託金額を抜き出した資料に、委託金額の小計が記載されています。1番下段、塩竈市災害復旧連絡協議会の合計、平成23年度決算では、18億1900万円余、平成24年度決算では10億2290万円余、合計致しまして、28億4252万円7450円です。
ちなみに本市における災害廃棄物処理の合計金額ですが、上段をご覧ください。155億9868万3717円です。宮城県委託の分が78億8397万4736円、50.5%が県委託です。市実施分ですが、77億1470万8981円49.5%です。災害復旧連絡協議会分については、155億9800万に対して、18.2%程度の割合です。又本市実施分の割合でみますと、30数%の状況です。
さまざまな報道があった中で、受託受注業者名の問題がありました。
受注業者については、協議会資料の4ページ、浦戸地区の危険建物解体業務委託について、総計は102件となっています。災害復旧連絡協議会に一括して委託をいたしました。
実施年度は平成23年度で、3億3706万9950円です。浦戸4島の部分の中で、協議会ということではなくて、個々の業者名を示すべきではないかという指摘があったかと思います。協議会資料の4ページ、本市からの解体業務の依頼に際し、協議会と業者名が併記されたものがございました。協議会という名称だけで取り扱った書類が55件、協議会と併せて主体的に取り組まれた業者が記された書類が47件でした。これは書類作成の様式が徹底されていなかったことが原因であります。今後このような誤解が生じないよう、適切な事務処理を行っていきたいと思います。
なお不明とされている55件について、災害復旧連絡協議会とは、浦戸地区についてはガレキ処理清掃業務等の契約がすでに先行して行われていました。
また、離島という地理的条件のために重機を運搬するための台船とか、作業員の確保、資器材の運搬等々で非常に特別な条件がありましたことから、協議会では島ごとの担当業者が、既に決まっている中で、追加して発注した解体業務も同様の区分で取り組まれています。このことから桂島・石浜・野々島分については東華建設が、また寒風沢については東北重機工事が担当しました。
協議会資料の6ページ、ここで問題となっていますのが、協議会が定例会で存続する期間継続の手続きを経ず、規約違反状態で市が委託を発注したという指摘でした。
市は平成23年度中に協議会継続という報告を受け、それに基づいて協議会と平成24年度の契約の締結をいたしました。その際協議会の存続を協議会会長からの文書のみで確認し、定例会の議事録等を提出させるなど、協議会内部の手続きの確認を怠ったという事が結果的にこのような混乱を招いた一因であると認識をしております。
市民の皆様に大変ご心配をおかけしましたこと、お詫び申し上げます。また契約については法的に有効であると考えております。
つぎに今回のこのような混乱の原因ですが、まずは塩釜市災害復旧連絡協議会内部の業務分担の不公平感に端を発したものととらえています。
発災直後は、膨大ながれきを前にその処理にどれだけかかるか、我々も見積もりができない状況でした。ことに処理費用に関しては最終的には国が全額負担してくれると決定したのがだいぶ後のことです。当初、2割は地元負担とされており、資金的にめどが立たない状況でしたが、いち早く塩釜市災害復旧連絡協議会が設立され、まずは対応可能な建設業界の方々に復旧の端緒を切り開いていただく事をお願いしました。事態が次第に平常化していくにいたり、本市は協議会当初の設立目的に沿った適切な業務の配分について、協議会の役員の皆様方にたびたびお願いをしていたところです。
またこのことは、協議会が規約により自動解散をした後の平成25年4月5日付の文書でも塩竈市災害防止協力会、塩釜建設協議会宛てに同様のお願いを改めていたしました。
また法律や協定等による取り決めがある場合は別ですが、この取り決めがない団体への介入については、団体の自治を侵す行為となるため、あくまでも要請、お願いという立場で対処したということでご理解いただければと思います。
また、今朝報道のあったガレキ処理の問題ですが、昨日全員協議会の場で説明をいたしました。説明の内容は、一次仮置場の管理については、市の契約の相手方はあくまでも塩釜市災害復旧連絡協議会ではありますが、日常の進行管理の中で中心となって管理運営を行っていた業者名を公表、説明いたしました。
先ほどの全員協議会の資料1ページ、一次仮置場管理業務のNo.28、越の浦災害廃棄物仮置場管理業務委託は(株)千葉鳶、No.29の新浜公園災害廃棄物仮置場管理業務については(株)晃信建設が、No.31の中倉埋立処分場災害廃棄物仮置場管理業務は(協)クリーンセンター宮城、宮本産業(株)、(株)豊島、No.34の浦戸諸島災害廃棄物仮置場管理業務は東華建設(株)、東北重機工事(株)が取り組んでいました。
以上本市としても今後しっかり対応していきたいと考えておりますので、今後の対応について若干説明いたします。
市の一時仮置場にはまだ未処理の災害がれきが約6,200平方メートル残されております。
これらは処理すべき全体の約2%であります。これらの解消に向けて今後一日も早く処理体制を構築して参りたいと思います。また、本市の復興に向けた各事業はまだ端緒についたばかりです。本格的な復旧復興はこれからです。そういった役割のかなり多くの部分を、地元の建設業界、関連業界の方々の協力なくしては成し遂げられないと考えております。
また次の災害時に市民の安全を守るためには、これらの方々にも引き続きご支援を頂かなければならないと考えています。
災害復旧連絡協議会の各構成員相互の信頼が回復され、引き続きこれらの業務にしっかりと取り組んでいただけますよう、本市もその役割を果たしてまいりたいと考えています。
なお、先ほど触れました、4月5日の文書で旧協議会の執行部にはしっかりと全ての会員の皆様に周知し、理解をいただけるような資料の作成を早急に取り組んでいただきたいと申し上げてまいりました。旧協議会の執行部の方々からは、5月中に決算にかかる内部調査と外部調査を実施し、6月上旬には全構成員に収支の状況を明らかにするという話もいただいています。我々もしっかりと行政として果たすべき役割を果たしていきたいと考えています。
NHK: | 別冊3の連絡協議会の名簿、33社ありますけれども、そのうち執行部5社とはどの会社ですか |
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産業環境部長: | No.3(株)晃信建設、No.4(株)鈴木工務店、No.6(株)千葉鳶、No.7東華建設(株)、No.30和田電気工事(株)の5社が、新聞等で言われている5社と認識しています。 |
NHK: | 受注業者を明らかにしなかったのは、一部の業者が受注を独占していたのではないかという事に関しては |
市長: | 受注業者名を明らかにしなかったというのは、先ほど申し上げましたように災害復旧連絡協議会という名前で契約をしていたからです。ただ我々としては日常の管理運営の中で、主体的に取り組まれている業者名については一定程度把握していたつもりですので、今回の全員協議会の中でこのような方々が中心的な役割で取組まれましたという説明をいたしました。 |
NHK: | 不当に一部の業者だけが受注していたという認識はあったのですか |
市長: | 金額の過多という事については行政としては判断の難しい部分でした。たとえばビルの解体工事等々になりますと、資格要件ですとか、解体に必要な重機類が手配できるかとかといったようなことは行政側として判断が難しく、協議会の方で仕事の役割分担を決めていただきたいという事をお願いしていた次第です。 |
河北新報社: | 浦戸の55件の内訳や一次仮置場の業者名を、全員協議会で公表したということですか。 |
市長: | 全員協議会の皆様方には、契約相手は災害復旧連絡協議会だが中心となって取り組んでいる業者はこういう方ですとご説明申し上げました。 |
河北新報社: | 中心となったという事は、それ以外の業者も入っている可能性があるということですか。 |
市長: | 行政としてはそこまでの内容については把握しづらいということを先ほどご説明いたしました。 |
河北新報社: | 危険建物解体業務については別紙等で業者名など事細かく書いてありますが、一次仮置場については業者名が出てこなかったという報道もありました。この時点で公表できなかったというのは、どういう理由でしょうか。 |
市長: | 繰り返し申し上げますが、一次仮置場の管理業務は、塩釜市災害復旧連絡協議会と契約しています。仕事の役割分担については協議会の中でお願いしているので、ここに受け入れ業者として記載しているものについてはあくまでも災害復旧連絡協議会という名称にしています。主体として取り組んでいる企業の方々は本市も責任者として把握はしていますが、契約書上には名前が出てきませんので、業者名としては災害復旧連絡協議会という形の記載になります。 |
河北新報社: | 市は当初、契約の内訳は公表できないという話でしたが、今になって公表した、方針転換の狙いは? |
市長: | 請負契約のなかで記載されている企業名が対外的には正式な請負業者名です。例えば浦戸については具体的な業者名ですが、これは書類の手続き上の確認が十分になされていなかったという行政上の事務の問題でしたので、そういった部分を全員協議会の中で説明し、全員協議会では、具体的に企業名を把握していないのかというご質問がありましたので、主体的に取り組んでいる方々はこうですとお話をしました。また先ほどの一次仮置場の管理業務におきましても主体的に取り組まれている企業名についても、日常の管理、監督業務の中でこういった方々と把握していると説明しました。 |
河北新報社: | 取材には答えないが議会には答えるということですか |
市長: | けしてそういった意図はありませんが、通常の管理監督責任の中からご説明しています。 |
河北新報社: | 浦戸の仮置場の解体業者名がわからなかったのは、単純な書類の記載ミスということでよろしいのですか。 |
市長: | そういうことではなく、契約の相手先としては災害復旧連絡協議会というのが正確な記載ですが、内容確認の際に、主体的に取り組まれている業者の名前を入れたという報告を受けています。 |
河北新報社: | 平時ですとこういった公共工事は入札によって決定するわけで、入札額とか入札業者もホームページで公開しています。震災直後の混乱のときなら分かりますが、震災から2年もたっているのに随意契約を結び続け、協議会には、透明性を求めるような、要請指導とかそういったことをしなかったのですか。 |
市長: | 震災直後は、大変混乱した中で、がれきの処分とか、危険建物の解体といった市民生活に直結する部分について、一刻も早く解決したいという思いでした。がれきの撤去あるいは一次仮置場管理業務、さらには危険物解体業務については発災直後から災害復旧連絡協議会という市全体の建設関係の方々の組織される団体にお願いすべきではないかという判断をしたところです。24年度はだいぶ落ち着いたのではないかということですが、危険物解体業務についても一連の連続性という中で取り組んできました。 |
河北新報社: | 市長は協議会の執行部に対し、協議会の会員に理解いただくようにとの文書を出されたそうですが、具体的にどのようなお考えなのでしょうか。 |
市長: | 24年度に入り、業界の一部の皆様方から業務量が不公平ではないかというようなご心配が、本市にも寄せられておりました。わたくしはじめ副市長からも協議会に、設立趣旨にのっとり、会員の皆様方に出来るだけ公平にというお願いはたびたびしていました。そういった中、昨年11月に上申書が組織を構成する方々から本市に提出されました。塩竈市としても回答する一方、協議会の皆様方にも、こういったことで困っている方々もおられるということも深く認識していただきたいとお話を続けてきました。今回、旧協議会のほうで歳入歳出について決算をするということですが、我々の方でも公費が適正に使われていたかどうかということについて、確認するつもりです。 |
朝日新聞社: | 確認ということは、協議会から何らかの回答をいただくようお願いしたということですか |
市長: | 協議会で作成した歳入歳出の決算については、その内容を説明いただくつもりです。 |
朝日新聞社: | 加盟企業数の変異というのは市のほうで把握しているのでしょうか。36社位あったということなんですが。 |
産業環境部長: | 当初の協議会数とその後の協議会数は、移動などがあったようです。36社とありましたが、33社ということで押さえています。 |