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同じ病気で複数の医療機関を受診すると、医療費が増えてしまうだけでなく、重複する検査や投薬でかえって体に悪影響を与えることもあります。下記の条件に当てはまった方には、お知らせを送付します。医療のかかり方、薬のもらい方を見直してみましょう。
併用禁忌薬剤とは、飲み合わせが悪い薬のことです。複数の薬を併用すると、効果が増強または減弱し、副作用などを生じさせ、時には健康に重大な影響を与える可能性があります。
併用禁忌薬剤の使用を防ぐため、お薬手帳を活用し、かかりつけ薬局を持ちましょう。
平成30年度診療データを分析した結果、処方されていた薬剤併用禁忌医薬品の上位10の組み合わせは、下表のとおりでした。痛み止めと風邪薬の組み合わせが多くみられました。
No. | (A) 剤型名 |
(A) 医薬品 コード |
(A) 医薬品名 |
(B) 剤型名 |
(B) 医薬品 コード |
(B) 医薬品名 |
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1 | 内服 | 622081101 | トラムセット配合錠 | 内服 | 622381201 | カロナール錠500_500mg |
2 | 内服 | 620002023 | カロナール錠200_200mg | 内服 | 620160501 | PL配合顆粒 |
3 | 内服 | 622081101 | トラムセット配合錠 | 内服 | 620002023 | カロナール錠200_200mg |
4 | 内服 | 620002023 | カロナール錠200_200mg | 内服 | 620161001 | マリキナ配合顆粒 |
5 | 内服 | 620004902 | アスパラカリウム錠300mg | 内服 | 620005825 | セララ錠50mg |
6 | 内服 | 621985801 | ロゼレム錠8mg | 内服 | 622035001 | フルボキサミンマレイン酸塩錠25mg「日医工」 |
7 | 内服 | 620002023 | カロナール錠200_200mg | 内服 | 620160301 | ペレックス配合顆粒 |
8 | 内服 | 621520803 | アセトアミノフェン錠200mg「JG」 | 内服 | 620160701 | セラピナ配合顆粒 |
9 | 外用 | 620518102 | ボスミン外用液0.1% | 外用 | 621950801 | シムビコートタービュヘイラー60吸入 |
10 | 内服 | 621220802 | スルトプリド塩酸塩錠200mg「ヨシトミ」 | 内服 | 620151101 | チミペロン錠3mg「アメル」 |
薬局などで購入できる風邪薬等の市販薬も、現在病院で処方されている薬と併用禁忌薬剤(飲み合わせの悪い薬)に該当する可能性があります。薬局で薬を処方してもらう場合は、他の病院で処方されている薬だけではなく、現在使用している市販薬も報告しましょう。
健康に関することを何でも相談でき、必要な時は専門の医療機関を紹介してくれる身近にいて頼りになる医師のことです。かかりつけ医は、これまでの病歴や体質、健康状態などを継続的に把握しているので、適切な対応をしてもらえます。
健診結果を報告すれば生活習慣改善などのアドバイスもしてくれますので、かかりつけ医を持ち、気になることがあれば気軽に相談しましょう。
かかりつけ薬局では、アレルギーなどの体質の把握や薬の履歴である薬歴を管理してもらうことができます。また、使用している市販薬や処方された薬がある場合は、飲み合わせのチェックをしてもらうこともできます。
飲み残した薬がある場合は、薬剤師に相談し、もらいすぎには注意しましょう。
薬は飲み合わせによって副作用を生じさせ、健康に重大な影響を与える可能性があります。お薬手帳に薬歴を記録しておくと、飲み合わせのチェックに役立ちます。
病院を受診する際はお薬手帳を必ずお持ちいただき、お薬を管理しましょう。
ポリファーマシーとは、、「複数」を意味するポリ、「調剤」を意味するファーマシーを合わせた言葉で、多くの薬を服用しているために副作用を起こしたり、きちんと薬が飲めなくなったりしている状態のことをいいます。単に服用する薬の数が多いことではありません。
特に、高齢になると複数の病気を持つ人が増えてきます。病気の数が増え、複数の医療機関を受診することは、服用する薬が増える原因となります。薬の数が増えると薬同士が相互に影響し合うことがあり、薬が効きすぎてしまったり、効かなかったり、副作用が出やすくなったりすることがあります。
ポリファーマシーを解決するためには、単に薬の量や種類を減らせばよいものではありません。薬によっては、急にやめると病状が悪化したり、思わぬ副作用が出ることがあります。
自分で判断はせず、必ず薬を処方する医師や調剤を行う薬剤師をはじめとした医療にかかわるそれぞれの専門家に相談しましょう。
そのためにも、お薬手帳は医療機関・薬局ごとに分けず1冊にまとめ、受診する際には忘れず持参ましょう。また、日頃からかかりつけの医師や薬剤師を持ち、処方されている薬について情報を把握してもらうことが大切です。