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本市が所管する社会福祉法人塩竈市社会福祉協議会について、これまで社会福祉法(昭和26年法律第45号)第56条1項に基づき、数回にわたり特別監査やヒアリング等を実施してきました。
その中で、健全経営がされていない財政状況や不適切な事務処理等が認められたため、同条第4項の規定に基づき、改善のために必要な措置をとるべき旨の勧告を行いましたが、期限内に是正または改善が図られず、今後も経営改善の見込みが立たないことから、同条第5項の規定に基づきその旨を公表します。
1.法人名 | 社会福祉法人 塩竈市社会福祉協議会 |
2.設立年月日 | 昭和39年7月3日 |
3.所在地 | 宮城県塩竈市北浜4丁目6番52号 |
4.会 長 | 阿部 明 |
5.実施事業 | 社会福祉事業(地域福祉事業)、介護事業、保育事業等 |
令和6年5月24日(金曜日)
令和6年6月24日(月曜日)
当該法人から令和6年6月24日(月曜日)付けで改善報告があった。
改善勧告の内容に係る事項 | 改善報告の状況 |
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令和5年度事業運営における事業運営調整基金を繰替え運用手続きするには、会長の決裁が必要であるが、事務局長が会長から預かる私印により事務処理手続を行い決裁後に事後承認を得るなど不適切な事務処理をおこなっていることから、これら事務処理手続等を是正し、決裁者の意思決定を伴う事業経営の透明性の確保が図られる手続を実施する内部統制を徹底すること。 |
事業経営の透明性の確保が図られる手続きを実施する内部統制を徹底に向けた具体的な改善策や組織体制の見直しについて、具体策及び実施時期は示されなかった。 これらは、社会福祉法第24条第1項『社会福祉事業の主たる担い手としてふさわしい事業を確実、効果的かつ適正に行う』に反している。 |
上記の件は、これまでの特別監査等により再三に渡り指摘してきた「実効性のある経営改善を計画し、早急に法人全体で取り組むこと」が実施されないために発生した事案であるため、早急に実効性のある経営改善を計画するとともに、これを法人全体で確実に履行できる協議会内の人員および組織体制を確立すること。 |
改善勧告への回答において『理事会での十分な協議報告を図らず、一部事務局内での経営改善対応のみに終始させたこと』が、左記発生事案の原因とされたが、組織体制の具体的な改善策及び実施時期について示されなかった。 これらは、社会福祉法第24条第1項『その提供する福祉サービスの質の向上及び事業経営の透明性の確保を図らなければならない』に反している。 |
これまでの調査によれば、現在の協議会の財政状況は職員への6月賞与の支給が難しい状況になるなど、資金運用が困難で破綻していると思料される。協議会の健全経営がなされなければ、職員ひいては利用者が不利益を被ることとなる。社会福祉法第109条第1項に規定される「市町村社会福祉協議会」であることを肝に銘じ、至急、健全な経営ができる財政状況に改善されること。 |
改善勧告への回答において『社会福祉事業施策が停滞することのないよう』とあったが、理事会および事務局は問題意識があったものの、具体策を提示できないことからも健全な経営を行うことは困難であると認められる。 これらは、社会福祉法第24条第1項『自主的にその経営基盤の強化を図る』に反している。 |
・事業経営の透明性の確保について具体策および実施時期が示されていないため、これ以上の時間の経過はさらなる財政状況の悪化を招く恐れがあること
・内部統制の徹底に向けた、具体的な改善策や組織体制の見直しについて具体策および実施時期が示されていないため、今後も法令および内部規定に反する行為が懸念されること
・理事会および事務局は経営改善に対して問題意識があったものの、具体策を提示できないことから健全な経営が見込めないこと
法人所轄庁として、当該法人に対し速やかに内部統制の徹底に向けた改善策や人事を含めた組織体制の見直しについて、具体策および実施時期について示すよう求めることとし、正当な理由がないのに今後も勧告事項の改善が図られない場合は、社会福祉法第56条第6項の規定による改善命令の検討を行う。
〇社会福祉法(昭和二十六年法律第四十五号)
(監督)
第五十六条 所轄庁は、この法律の施行に必要な限度において、社会福祉法人に対し、その業務若しくは財産の状況に関し報告をさせ、又は当該職員に、社会福祉法人の事務所その他の施設に立ち入り、その業務若しくは財産の状況若しくは帳簿、書類その他の物件を検査させることができる。
4 所轄庁は、社会福祉法人が、法令、法令に基づいてする行政庁の処分若しくは定款に違反し、又はその運営が著しく適正を欠くと認めるときは、当該社会福祉法人に対し、期限を定めて、その改善のために必要な措置(役員の解職を除く。)をとるべき旨を勧告することができる。
5 所轄庁は、前項の規定による勧告をした場合において、当該勧告を受けた社会福祉法人が同項の期限内にこれに従わなかつたときは、その旨を公表することができる。
6 所轄庁は、第四項の規定による勧告を受けた社会福祉法人が、正当な理由がないのに当該勧告に係る措置をとらなかったときは、当該社会福祉法人に対し、期限を定めて、当該勧告に係る措置をとるべき旨を命ずることができる。