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長期総合計画基本構想
平成13年度(2001年度)を初年度として、平成22年度(2010年度)を目標年度とします。
時代は今、大きな転換期を迎えています。21世紀は経済的な豊かさだけではなく、より心の豊かさが求められる時代です。成熟社会にふさわしい新しい価値観に基づいたまちづくりのあり方が問われます。
人としての尊厳を大切にし、多様な価値観を認め合いながら、ともに生き支え合うまちづくりを目指します。
経済や生活の基盤を築き、まちを育んできた貴重な海や緑などの自然と共生したまちづくりを目指します。
歴史や風土の中で培われ生み出された塩竈の特性をさらに輝かせ、十分に生かしながら個性ある質の高いまちづくりを目指します。
「自分たちのまちは自分たちでつくる」という自治の精神に基づき、さまざまな主体が相互理解を深めながらまちづくりに参画する協働のまちづくりを目指します。
諸情勢の変化や市民の意向などを踏まえて、本市の目指すべき姿を実現するために取り組むべき主要な課題を次のとおり設定します。
すべての人が年齢や性別、障害の有無などにかかわらず、生涯にわたり安心して自分らしい生活を送ることができる社会が求められています。本市においては、高齢化が県の水準を上回る速さで進んでいるとともに、ひとり暮らしや寝たきり高齢者の割合も高くなっています。
そのため、予防を重視した保健や医療の充実を図り、だれもが地域や家庭で自立し、健康で生きがいをもって暮らせる仕組みづくりを進めていく必要があります。
阪神・淡路大震災を契機に生活の基盤をなす都市の安全性が改めて問われています。
本市は地形的・地盤的な要因に加え、生活道路が狭隘な上、住宅が密集している地域が多くあることなどから、水害や火災などに対する市民の安全性への関心が高くなっています。
そのため、災害時の対応力の向上を含め、自然災害や事故・犯罪などの社会的災害に強い安全な都市づくりを進めていく必要があります。
成熟社会を迎え、人々の価値観や生活様式が大きく変化する中、多様な価値観を認め合いながら、それぞれの価値観に基づく自由な選択により個性と能力を発揮できる社会の実現が求められています。
そのため、だれもが主体的に学ぶことができる教育や学習・スポーツ環境の整備を推進するとともに、意欲と創造性にあふれた人材を育成・発掘していくことが重要です。また、さまざまな機会を通じて身につけた知識や技術をまちづくり活動に生かすための取り組みを進めていく必要があります。
国際化や地方分権が進展する中、自分が住んでいるまちの特性などを十分認識し、まちづくりに生かしていくことが求められてきます。
本市においても、市民が郷土への愛着を抱き、さまざまな学習機会を通じて、歴史・文化・風土・まち並みなどを市民共有の財産として理解を深めながら、次世代へ継承するとともに、まちづくりの中で発展させていくことが必要となります。
地球規模での環境問題が深刻さを増す中、人と自然とのふれあいを大切にしながら、環境を良好な状態で保全し次世代に引き継いでいくことが求められています。
本市では埋立てや漁港・港湾整備などにより、市民との接点である自然の海岸線が非常に少なく、海と人との関わりが希薄になってきています。さらに、市内のほぼ全域まで宅地化が進み、山や森などまとまった緑の存在する場所が限られてきています。
このため、海や緑などを貴重な資源として再認識し、自然を身近に感じられる都市環境を新たに創り出すとともに、市民・企業・行政それぞれが環境負荷の少ない循環型社会の実現を目指すなど、良好な環境を創造していく必要があります。
本市は水産業を基幹産業として、その集積を図り、さらに近隣市町の商業の中心地として発展してきましたが、時代の変化の中で新たな対応が求められています。
そのため、既存産業の活性化を図るとともに、産業間の連携や起業の促進により、新たな活力を生み出し育成するための支援にも取り組む必要があります。
また、中心市街地においては、本市の特性である海、食、歴史、文化などを生かすとともに、定住を促進し、市民をはじめ多くの人々が気軽に訪れ楽しめる交流空間を創出することが必要です。
分権社会の実現のためには、国や県、周辺市町村との連携を図るとともに、市民と行政が互いにまちづくりの担い手としての責任を自覚し、自らの役割を主体的に果たしていくことが重要になります。
そのため、情報システムなどを活用した市政情報の提供を進めるとともに、町内会などの既存組織の活性化による地域コミュニティの再構築やNPOなどのまちづくり活動への支援に取り組みながら、市民と行政が協働できる体制を創り出していく必要があります。
市民の生活圏が拡大する一方、行政においてはより効率的な行財政運営が求められており、広域行政の必要性がますます高まってきています。
本市では、これまで仙台都市圏、宮城「館」懇談会、塩釜地区を中心に共通する行政課題に取り組んできました。特に塩釜地区においては、消防、斎場、福祉、廃棄物処理といった市民生活に密着している分野について連携を図ってきています。
今後は、分権社会を見据えて、それぞれの地域特性を生かした役割・機能を担うとともに、相互補完や連携をさらに図っていくことが重要となります。
時代の大きな転換期を迎え、まちづくりにはそこに住む生活者の視点がより強く求められています。
本市は古くから豊かな自然の恵みを受け、産業や生活の基盤を築いてきました。
心の豊かさが求められる中、市民一人ひとりが自然の大切さを再認識し、まちを育んできた海との関わりを一層深めていく必要があります。
また、海に関わる暮らしは、本市に多くの食としての恵みと経済的な豊かさをもたらしました。
21世紀という新しい時代にあっては、歴史の中で育まれた塩竈の多彩な食をより積極的に生かし、生活との結びつきを強めるとともに、市民が食を楽しみ、文化として高めていくことが求められています。
本市の魅力あるまちづくり資産である海や食を創造的に生かしながら、市民がその豊かさを享受し、海や食を通じて内外に人、モノ、情報などの多様な交流が生まれるまちを目指します。
都市像を達成するために、次の5つの都市目標を定めます。また、その実現に向けて取り組むべき施策の大綱を、目的別の体系として設定します。
市民と市民、市民と行政がともに支え合い、だれもが住み慣れた地域で、健やかで安心した生活を送ることができるまちを目指します。
-施策の大綱-
生涯を通じての主体的な学習活動により、塩竈への愛着や誇りを育むとともに、だれもが個性や能力を発揮できるまちを目指します。
-施策の大綱-
海と緑などの貴重な自然を大切にし、環境負荷の少ない生活スタイルの構築に努め、自然と共生するまちを目指します。
-施策の大綱-
海、食、歴史、文化など、塩竈の特性と地域資源を生かした魅力ある中心市街地の形成、産業の再構築を進め、活気あるまちを目指します。
-施策の大綱-
市民のまちづくりへの参画を積極的に推進するとともに、自治を担う行政の仕組みづくりを行い、市民と行政の協働によるまちづくりを進めます。
-施策の大綱-
本市の将来人口は、平成22年(2010年)において63,000人と設定します。