○塩竈市営汽船事故処理基準
平成8年7月1日
庁訓第27号
塩竈市営汽船事故処理規程(昭和49年庁訓第8号)の全部を改正する。
目次
第1章 総則(第1条―第3条)
第2章 事故発生時の通報(第4条・第5条)
第3章 事故の処理等(第6条―第10条)
附則
第1章 総則
(目的)
第1条 この基準は、本市の運航中の船舶に係る事故の処理に関し、塩竈市営汽船安全管理規程(平成18年庁訓第34号)の運用上の基準を明確にすることにより、事故処理を迅速かつ適切に実施し、人命の安全を他に優先して確保するとともに被害を最小限にくいとめ、事故の原因を究明し、将来の船舶の運航の安全に資することを目的とする。
(平18庁訓37・一部改正)
(事故の範囲)
第2条 この基準において「事故」とは、本市の運航中の船舶に係る事故又は事件(以下「事故」という。)で、次に掲げるものをいう。
(1) 旅客、乗組員又はその他乗船者の死亡、行方不明、重大な負傷若しくは疾病又はその他重大な人身事故(以下「人身事故」という。)
(2) 衝突、乗り上げ、火災、浸水、行方不明、重大な機関故障又はその他救助を必要とする船舶の事故
(3) 航路の障害、港湾施設の損傷又は荒天による運航の阻害
(4) 強取、乗っ取り、殺人、障害又は暴行等の不法行為による阻害
(軽微な事故への準用)
第3条 本事故処理基準は、必要に応じ、前条に定める事故以外の本市の運航中の船舶に係る事故に準用するものとする。
第2章 事故発生時の通報
(非常連絡)
第4条 船長は、事故の状況を運航管理者に報告する場合は速報を旨とし、判明したものから逐次追報することにより次条の項目を網羅するよう心がけなければならない。
2 船長の海上保安官署等への連絡は、初動時は「118番」によるものとし、以後、別表により関係機関へ連絡するものとする。
3 運航管理者は事故が発生したときは、速やかに、事故の状況について判明したものから逐次電話(ファックスを含む)又は口頭で運輸局等に報告するものとする。
5 非常連絡は、原則として、別表によるものとする。ただし、事故の内容によっては、運航管理者の判断で、運輸局等及び海上保安部等を除き連絡すべき範囲を限定することができる。
(平18庁訓37・全改)
(非常連絡事項)
第5条 事故が発生した場合の連絡は、原則として次の区分により行うものとする。
(1) 全事故に共通する事項
ア 船名
イ 日時
ウ 場所
エ 事故の種類
オ 死傷者の有無
カ 救助の要否
キ 当時の気象、海象
(2) 事故態様による事項
事故の種類 | 連絡事項 |
a 衝突事故 | ① 衝突の状況(衝突時の両船の針路、速力等) ② 船体、機器の損傷状況 ③ 浸水の有無(あるときはd項) ④ 流出油の有無(あるときはその程度及び防除措置) ⑤ 自力航行の可否 ⑥ 相手船の船種、船名、総トン数、(用)船主・船長名(できれば住所連絡先) ⑦ 相手船の状況(船体損傷の状況、死傷者の有無、救助の要否) |
b 乗り上げ事故 | ① 乗り上げの状況(乗り上げ時の針路、速力、海底との接触ケ所、船体傾斜、吃水の変化、陸岸との関係等) ② 船体周囲の水深、底質及び付近の状況 ③ 潮汐の状況、船体に及ぼす風潮、波浪の影響 ④ 船体、機器の損傷状況 ⑤ 浸水の有無(あるときはd項) ⑥ 離礁の見通し及び陸上からの救助の可否 ⑦ 流出油の有無(あるときは、その程度及び防除措置) |
c 火災事故 | ① 出火場所及び火災の状況 ② 出火原因 ③ 船体、機器の損傷状況 ④ 消火作業の状況 ⑤ 消火の見通し |
d 浸水事故 | ① 浸水箇所及び浸水の原因 ② 浸水量及びその増減の程度 ③ 船体、機器の損傷状況 ④ 浸水防止作業の状況 ⑤ 船体に及ぼす風浪の影響 ⑥ 浸水防止の見通し ⑦ 流出油の有無(あるときは、その程度及び防除措置) |
e 強取、乗っ取り、殺人、傷害、暴行等の不法行為 | ① 事件の種類 ② 事件発生の端緒及び経緯 ③ 被害者の氏名、被害状況 ④ 被疑者の人数、氏名等 ⑤ 被疑者が凶器を所持している場合はその種類、数量等 ⑥ 措置状況など |
f 人身事故(行方不明を除く。) | ① 事故の発生状況 ② 死傷者数又は疾病者数 ③ 発生原因 ④ 負傷又は疾病の程度 ⑤ 応急手当の状況 ⑥ 緊急下船の必要の有無 |
g 旅客、乗組員等の行方不明 | ① 行方不明が判明した日時及び場所 ② 行方不明の日時、場所及び理由(推定) ③ 行方不明者の氏名等 ④ 行方不明者の遺留品等 |
h インシデント | ① インシデントの状況 ② インシデントの原因 ③ 措置状況 |
i その他の事故 | ① 事故の状況 ② 事故の原因 ③ 措置状況 |
(平18庁訓37・一部改正)
第3章 事故の処理等
(船長のとるべき措置)
第6条 事故が発生したときに、旅客の安全、船体の保全のために船長が講ずべき必要な措置は、おおむね次のとおりとする。
(1) 海難事故の場合
ア 損傷状況の把握及び事故局限の可否の検討
イ 人身事故に対する早急な救護
ウ 連絡方法の確立(船内及び船外)
エ 旅客への正確な情報の周知及び状況に即した適切な旅客の誘導
オ 2次災害及び被害拡大を防止するための適切な作業の実施
(2) 不法事件の場合
ア 被害者に対する早急な救護
イ 不法行為者の隔離又は監視
ウ 連絡方法の確立(船内及び船外)
エ 旅客に対する現状及び措置状況の周知と旅客の軽率な行為の禁止
オ 不法行為が継続している場合、中止を求める不法行為者への説得
(運航管理者のとるべき措置)
第7条 運航管理者は、通常連絡、入港連絡等の船長からの連絡が異常に遅延している場合又は連絡なしに入港が異常に遅延している場合は、遅滞なく船舶の動静把握のために必要な措置を講じなければならない。
3 事故の発生を知ったとき又は船舶の動静が把握できないときに運航管理者がとるべき措置はおおむね次のとおりとする。
(1) 事故の実態は握及び救難に必要な情報の収集及び分析
(2) 宮城海上保安部への救助要請
(3) 行方不明の捜索又は本船の救助のための捜索船又は救助船等の手配
(4) 必要人員の派遣及び必要物資の補給等
(5) 船長に対する必要事項の連絡及び助言
(6) 医師、病院、宿舎の手配等の旅客の救護のための措置
(7) 乗船客の氏名の確認及びその連絡先への通知
(平23庁訓31・一部改正)
(事故処理組織)
第8条 事故処理の組織、編成及び職務は、次表のとおりとする。
事故処理組織表
区分 | 職務 |
市長 | 総指揮 |
安全統括管理者 | 総指揮の補佐又は総指揮 |
救難対策班 班長 運航管理者 班員 運航管理補助者 | 事故の実態把握、事故関係情報の収集、船舶及び関係機関との連絡、救難の実施、その他救難に必要な事項に関すること。 |
(平14庁訓7・平18庁訓37・一部改正)
(医療救護の連絡等)
第9条 船長及び運航管理者は、船内に医療救護を必要とする事態が発生したときは、乗船者に医師がいる場合にはその医師の協力を要請することとし、不在の場合は別表「非常連絡表」により最寄りの医師と連絡をとり、その指示のもと適切な措置を講じなければならない。
(平18庁訓37・一部改正)
(現場の保存)
第10条 船長及び運航管理者は、事故処理後関係海上保安官署等と連絡をとりつつ、運航に支障のない限り事故の原因の調査を行うとともに、事件の捜査の対象となる場所及び物品の保存に努めなければならない。
附則
この庁訓は、平成8年7月1日から施行する。
附則(平成14年4月庁訓第7号)
この庁訓は、公布の日から施行する。
附則(平成18年12月庁訓第37号)
この庁訓は、平成18年12月21日から施行し、平成18年10月1日から適用する。
附則(平成23年6月庁訓第31号)
この庁訓は、平成23年6月1日から施行する。
附則(令和2年7月庁訓第46号)
この庁訓は、令和2年7月1日から施行する。
附則(令和4年4月庁訓第30号)
この庁訓は、公布の日から施行する。
別表(第4条関係)
(令2庁訓46・全改、令4庁訓30・一部改正)
安全管理非常連絡表