○塩竈市環境基本条例

平成12年6月22日

条例第31号

目次

前文

第1章 総則(第1条―第6条)

第2章 環境の保全及び創造に関する基本的施策(第7条―第10条)

第3章 環境の保全及び創造を推進するための施策(第11条―第25条)

第4章 環境審議会(第26条―第33条)

附則

わたしたちのまち塩竈は、豊かな自然の恵みの中で、発達を続けてきた。

しかしながら、近年の飛躍的な社会経済活動の拡大やわたしたちの生活様式の変化などに伴い、環境への負荷が増加し、従来の環境行政の枠組みだけでは対応が困難な都市、生活型の公害や身近な自然の減少などの問題が顕在化してきている。

さらには、一人ひとりの日常の生活や都市の活動そのものが、直接、間接に地球規模で環境に影響を与えてきていることから、新たな対応が求められている。

いうまでもなく、わたしたちは、健康で安全かつ快適な生活を営むことのできる恵み豊かな環境を享受する権利を有すると同時に、こうした恵み豊かな環境を維持し、発展させ、将来の世代に引き継いでいく使命を有している。

特に、わたしたちは、豊かな海の恵みの中で、先人のたゆまぬ努力により歴史や文化が築き上げられ、かつ、守られてきた恵沢によって日々の暮らしが支えられていること、並びにこれらをさらに発展させ、将来の世代に引き継いでいかなければならないという責任と義務を担っていることを忘れてはならない。

このような認識のもと、わたしたちは、市民、事業者及び行政のすべての者の協働によって、この塩竈が、人と自然が健全に共生し、かつ、環境への負荷の少ない持続的な発展が可能な都市となることをめざし、この条例を制定する。

第1章 総則

(目的)

第1条 この条例は、環境の保全及び創造について、基本理念を定め、並びに市、事業者及び市民の責務を明らかにするとともに、環境の保全及び創造に関する施策の基本的な事項を定めることにより、環境の保全及び創造に関する施策を総合的かつ計画的に推進し、もって現在及び将来の世代の市民が健康で安全かつ快適な生活を営むことのできる恵み豊かな環境を確保し、海と歴史や文化が調和する塩竈の風土を永遠に継承することを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において「環境への負荷」とは、人の活動により環境に加えられる影響であって、環境の保全上の支障の原因となるおそれのあるものをいう。

2 この条例において「公害」とは、環境の保全上の支障のうち、事業活動その他の人の活動に伴って生じる相当範囲にわたる大気の汚染、水質の汚濁(水質以外の水の状態又は水底の底質が悪化することを含む。)、土壌の汚染、騒音、振動、地盤の沈下(鉱物の採取のための土地の掘削によるものを除く。)及び悪臭によって、人の健康又は生活環境(人の生活に密接な関係のある財産並びに人の生活に密接な関係のある動植物及びその生育環境を含む。)に係る被害が生ずることをいう。

(基本理念)

第3条 環境の保全及び創造は、人類がその一部として存在し、活動している自然の生態系の均衡を尊重し、人と自然が健全に共生できるような環境を実現するとともに、市民が健康で安全かつ快適な生活を営むことができるように、これを将来の世代に継承していくことを目的として行われなければならない。

2 環境の保全及び創造は、環境の復元力には限界があることを認識し、資源の適正な管理及び循環的な利用の推進等により環境への負荷の少ない持続的な発展が可能な都市を構築することを目的として、行わなければならない。

3 環境の保全及び創造は、すべての者が公平な役割分担の下に自主的かつ積極的にこれに取り組むことによって、行わなければならない。

4 地球環境の保全は、すべての者がこれを自らの課題として認識し、あらゆる日常生活及び事業活動において環境への負荷の低減を図ることにより、積極的に推進されなければならない。

(市の責務)

第4条 市は、前条に定める基本理念(以下「基本理念」という。)にのっとり、環境の保全及び創造に関する基本的かつ総合的な施策を策定し、及び実施する責務を有する。

(事業者の責務)

第5条 事業者は、基本理念にのっとり、その事業活動を行うに当たっては、これに伴って生ずる公害を防止し、又は自然環境を適正に保全するために必要な措置を講ずる責務を有する。

2 前項に定めるもののほか、事業者は、基本理念にのっとり、その事業活動に伴う資源及びエネルギーの消費、廃棄物の排出等による環境への負荷の低減その他環境の保全及び創造に自ら積極的に努めるとともに、市が実施する環境の保全及び創造に関する施策に協力する責務を有する。

(市民の責務)

第6条 市民は、基本理念にのっとり、その日常生活に伴う資源及びエネルギーの消費、廃棄物の排出等による環境への負荷を低減するように努めなければならない。

2 前項に定めるもののほか、市民は、基本理念にのっとり、環境の保全及び創造に自ら積極的に努めるとともに、市が実施する環境の保全及び創造に関する施策に協力する責務を有する。

第2章 環境の保全及び創造に関する基本的施策

(施策の基本方針)

第7条 市は、環境の保全及び創造に関する施策の策定及び実施に当たっては、次に掲げる事項を基本として、施策相互の有機的な連携を図りつつ、これを総合的かつ計画的に行わなければならない。

(1) 大気、水、土壌環境の自然的構成要素を良好な状態に保持することにより、市民の健康を保護し、及び生活環境を保全すること。

(2) 生態系の多様性の確保、野生生物の種の保存その他の生物の多様性の確保に努めるとともに、森林、水辺地等における多様な自然環境の保全及び回復を図ることにより、人と自然が健全に共生することのできる良好な環境を確保すること。

(3) 人と自然との豊かな触れ合いを確保するとともに、自然環境及び歴史的、文化的な所産並びにこれらの特性を活かした魅力ある都市空間の形成を図ることにより、より質の高い環境を創造すること。

(4) 廃棄物の減量、資源の循環的な利用及びエネルギーの有効利用を推進し、並びに環境の保全及び創造に関する技術等を活用することにより、環境への負荷の少ない持続的な発展が可能な都市を構築するとともに、地球環境の保全に貢献すること。

(5) 環境の保全及び創造を効率的かつ効果的に推進するため、市、市民及び事業者が協働することのできる社会を形成すること。

(環境基本計画)

第8条 市長は、環境の保全及び創造に関する施策を総合的かつ計画的に推進するため、基本的な計画(以下「環境基本計画」という。)を定めなければならない。

2 環境基本計画は、次に掲げる事項について定めるものとする。

(1) 環境の保全及び創造に関する総合的かつ長期的な目標

(2) 環境の保全及び創造に関する施策の基本的な方向

(3) 環境の保全及び創造に関する行動の指針

(4) 前3号に掲げるもののほか、環境の保全及び創造に関する施策を総合的かつ計画的に推進するために必要な事項

3 市長は、環境基本計画を定めるに当たっては、市民及び事業者の意見を反映することができるよう必要な措置を講ずるとともに、塩竈市環境審議会の意見を聴かなければならない。

4 市長は、環境基本計画を定めたときは、速やかに、これを公表しなければならない。

5 前2項の規定は、環境基本計画の変更について準用する。

(環境基本計画との整合性の確保等)

第9条 市は、環境に影響を及ぼすと認められる施策を策定し、及び実施するに当たっては、環境基本計画との整合を図るほか、環境への負荷が低減されるように十分に配慮しなければならない。

(年次報告書)

第10条 市長は、毎年、環境の状況並びに市が環境の保全及び創造に関して講じた施策の実施状況等を明らかにした報告書を作成し、これを公表しなければならない。

第3章 環境の保全及び創造を推進するための施策

(環境影響評価の推進)

第11条 市は、土地の形状の変更、工作物の新設その他これらに類する事業を行う事業者が、その事業の実施に当たりあらかじめその事業に係る環境への影響について自ら適正に調査、予測又は評価を行い、その結果に基づき、その事業に係る環境の保全について適正に配慮することを推進するため、必要な措置を講ずるように努めなければならない。

(規制の措置)

第12条 市は、公害を防止するため、公害の原因となる行為に関し、必要な規制の措置を講じなければならない。

2 市は、自然環境の保全を図るため、自然環境の適正な保全に支障を及ぼすおそれがある行為に関し、必要な規制の措置を講じなければならない。

3 前2項に定めるもののほか、市は、環境の保全上の支障を防止するため、必要な規制の措置を講ずるように努めなければならない。

(誘導的措置)

第13条 市は、事業者又は市民が自らの行為に係る環境への負荷の低減のための施設の整備その他の環境の保全及び創造のための適切な措置を採るよう誘導するため、必要かつ適切な経済的支援その他の措置を講ずるように努めなければならない。

(水と緑の保全と創造)

第14条 市は、海その他の市の風土を象徴する水や緑が有する環境の保全上の機能を重視し、人と自然が触れ合う地域の形成を図るため、水や緑の保全及び創造並びにその推進に関し必要な措置を講じなければならない。

2 前項に定めるもののほか、市は、市の風土にふさわしいより質の高い環境を創造するため、公園その他の公共的施設の整備その他の自然環境の適正な整備及び健全な利用のための事業を推進するため、必要な措置を講じなければならない。

(公共的施設の整備等)

第15条 市は、下水道、廃棄物の処理施設、環境への負荷の低減に資する交通施設その他の環境の保全上の支障を防止し、又はその防止に資する公共的施設の整備を推進するため、必要な措置を講じなければならない。

(廃棄物の減量の推進等)

第16条 市は、環境への負荷の低減を図るため、市民及び事業者による廃棄物の減量、資源の循環的な利用及びエネルギーの有効利用が促進されるように、必要な措置を講じなければならない。

2 市は、環境への負荷の低減を図るため、市の施設の建設及び維持管理その他の事業の実施に当たっては、廃棄物の減量、資源の循環的な利用及びエネルギーの有効利用を推進しなければならない。

(環境への負荷の低減に資する製品等の利用の促進)

第17条 市は、再生資源その他の環境への負荷の低減に資する製品、原材料、役務等の利用の促進を図るため、必要な措置を講ずるように努めなければならない。

(環境教育の振興等)

第18条 市は、市民、事業者の環境の保全及び創造についての関心と理解の増進並びにこれらの者による自発的な環境の保全及び創造に関する活動の促進に資するため、環境の保全及び創造に関する教育及び学習の振興並びに広報活動の充実に関し必要な措置を講じなければならない。

(市民等の自発的な活動の促進)

第19条 市は、市民、事業者又はこれらの者の組織する民間の団体(以下「民間団体等」という。)が自発的に行う緑化活動、環境美化活動、再生資源の回収活動その他の環境の保全及び創造に関する活動が促進されるように、必要な措置を講じなければならない。

(情報の提供)

第20条 市は、第18条の環境の保全及び創造に関する教育及び学習の振興並びに前条の民間団体等が自発的に行う環境の保全及び創造に関する活動の促進に資するため、個人及び法人の権利利益の保護に配慮しつつ環境の状況その他環境の保全及び創造に関する必要な情報を適切に提供するよう努めなければならない。

(環境管理体制の整備の推進)

第21条 市は、環境への負荷の低減を図るため、事業者がその事業活動を行うにあたり自主的に環境管理に関する体制の整備を推進するため、必要な措置を講ずるように努めなければならない。

(市民等の参加及び協力の促進)

第22条 第18条から前条までに定めるもののほか、市は、環境の保全及び創造に関する施策の効率的かつ効果的な推進を図るため、市民及び事業者の参加及び協力の促進に関し必要な措置を講ずるように努めなければならない。

(環境の状況の把握等)

第23条 市は、監視、測定等により環境の状況を的確に把握するとともに、環境の保全及び創造に関する施策の策定に必要な調査及び研究を実施しなければならない。

2 市は、前項の規定により把握した環境の状況を公表しなければならない。

(国及び他の地方公共団体との協力)

第24条 市は、広域的な取組を必要とする環境の保全及び創造に関する施策については、国及び他の地方公共団体と協力して推進するように努めなければならない。

(地球環境の保全の推進)

第25条 市は、地球の温暖化の防止、オゾン層の保護その他の地球環境の保全に貢献できる施策を積極的に推進しなければならない。

2 市は、国際機関、国、他の地方公共団体、民間団体等と連携し、地球環境の保全に関する国際協力を推進するように努めなければならない。

第4章 環境審議会

(塩竈市環境審議会)

第26条 環境基本法(平成5年法律第91号)第44条の規定に基づき、環境の保全及び創造に関する基本的事項について、市長の諮問に応じ調査審議するため、塩竈市環境審議会(以下「審議会」という。)を置く。

(組織)

第27条 審議会は、委員15人以内で組織する。

2 委員は、次に掲げる者のうちから、市長が任命する。

(1) 学識経験のある者

(2) 塩竈市議会の議員

(3) 関係行政機関の職員

(4) 前3号に掲げるもののほか市長が適当と認めた者

(任期)

第28条 委員の任期は、2年とする。ただし、補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。

2 委員は、再任されることができる。

(会長及び副会長)

第29条 審議会に会長及び副会長を置き、委員の互選によって定める。

2 会長は、会務を総理し、審議会を代表する。

3 副会長は、会長を補佐し、会長に事故があるとき、又は会長が欠けたときは、その職務を代理する。

(会議)

第30条 審議会の会議は、会長が招集し、会長がその議長となる。

2 審議会の会議は、委員の半数以上が出席しなければ開くことができない。

3 審議会の議事は、出席した委員の過半数で決し、可否同数のときは、議長の決するところによる。

4 会長は、必要があると認めたときは、会議に関係者の出席を求め、説明又は意見を聴くことができる。

(部会)

第31条 審議会は、その定めるところにより、部会を置くことができる。

2 部会に属すべき委員は、会長が指名する。

3 部会に部会長を置き、部会に属する委員の互選によって定める。

4 部会に関し必要な事項は、会長が定める。

(庶務)

第32条 審議会の庶務は、市民生活部環境課において処理する。

(平22条例31・令3条例24・一部改正)

(委任)

第33条 この条例の定めるもののほか、審議会の運営に関し必要な事項は、会長が審議会に諮って定める。

(施行期日)

1 この条例は、公布の日から施行する。

(塩竈市環境審議会条例の廃止)

2 塩竈市環境審議会条例(平成11年条例第14号)は、廃止する。

(経過措置)

3 この条例により廃止する以前の塩竈市環境審議会条例による環境審議会委員は、この条例による塩竈市環境審議会の委員に発令されたものとみなす。この場合において委員の任期は、平成13年11月21日までとする。

(平成22年12月条例第31号)

(施行期日)

1 この条例は、公布の日から起算して6月を超えない範囲内において規則で定める日から施行する。

(平23条例5・一部改正)

(平成23年規則第58号で平成23年6月1日から施行)

(平成23年3月条例第5号)

この条例は、公布の日から施行する。

(令和3年12月条例第24号)

(施行期日)

1 この条例は、令和4年4月1日から施行する。

塩竈市環境基本条例

平成12年6月22日 条例第31号

(令和4年4月1日施行)

体系情報
第8編 市民生活/第6章 環境保全/第1節
沿革情報
平成12年6月22日 条例第31号
平成22年12月20日 条例第31号
平成23年3月31日 条例第5号
令和3年12月22日 条例第24号