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寒風沢の昔話・伝説(宇南田の由来)
宇南田の由来


 村社神明社境内の西側に「うなんだ」と称する一反八畝歩の水田がある。往昔、後土御門天皇の応仁年間、この地(元屋敷時代)に一漁夫あり性質温順にして常に業を励み、隣保に親しみ、郷党その淳直を称せり。

 この漁夫、ある夜、夜釣せんとて船を漕ぎ出し、州の崎の海(前浜の海)に錨を下し、釣を垂れつつありしが、その夜は海穏やかにして空も晴れ、星の光明かにて夜釣には究竟の気食なりしが、例になく一尾の獲物なし。

 いと不思議に想い、夜も更けたれば家路を指して漕ぎ帰らんとせしとき、静けき暗き夜は忽然として眩きほどに明るくなり、辰巳の沖の方より烈しき音響をなして電光の如く耀ける光り物飛び来り、そのさまいと畏しく、船の中に打ち伏して、畏る畏る光り物の飛び行く先を見守れるに、州の崎より数十間沖の海中にある兜島という磯に隕つしかと見る間に、またそこより飛び出でて、州の崎の田の沢に隕ち留まり、烈しき音をなして光を放ちたるを見て畏れ驚き、家に漕ぎ帰り寝に就きしが、その夜の夢に神人顕れ、漁夫に向かい、汝常に正直にして家業を励み、神を敬い、人に愛せられる故に神爾を授く、今より後は五穀豊穣にして漁利多く、海難疫病の患いなからん、必ず疑うことなかれ、われはこれ朝日さす神風の伊勢の大神なりと詔り玉うかと見れば、夢忽ちに醒め、心身すがすがしく、屋内霊香薫ずるが如く、その顕たかな示現と、昨夜の光り物のことを家族や親近の人びとに語り、ともに州の崎の西の沢に行きを見るに、一個の物体あり、これを伊勢の神の御神爾なりとて家に持ち帰り、神棚に崇め祀りしが、その後示現ありて州の先の地に宮居を設け、これを安置し宇南大明神と崇め祀り、その隕ちたる沢田をうなん田(又唸り田とも)と呼び今も数枚の田のうち一枚の田に、方三尺許の島あり、これを神爾の隕ちし処なりと言い伝えて、その田一枚には不浄の肥料を施さず、春秋二回の祭典にはその田より収穫せる米にて餅を作り、神前に供うるを例とし、今も猶かわることなし。

地図 寒風沢 地図 うんなんさま  
 宇南大明神はウンナンサマとよばれています。祀られているのは、寒風沢の(現在の)港から南の方向に進み、前浜海水浴場の手前にある、小さい地図の赤丸のあたり。神明社の裏手です。
 写真 神明社 写真 うんなんさま
 この漁夫が夜釣りをしていたのは、寒風沢の海水浴場(地図の赤線部分)の沖です。いまでも、よい漁場で、白魚漁もこのあたりでも行われているようです。

 田んぼの中の島は、今度捜してきます。もう少々お待ち下さい。
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